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【ソフトバンク】(3)M&A卒業で「マネーバンク」に変身か

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M&Aで事業を展開するよりも純投資の方が儲かる

たとえば画像演算処理装置(GPU)など画像処理半導体を手がける米NVIDIA(エヌビディア)。GPUは画像処理だけでなく、仮想通貨のマイニング(採掘)や人工知能(AI)向けの超高速計算でも利用されており、コンピューターの「頭脳」に当たる中央演算処理装置(CPU)を上回る成長をみせている。営業利益率は約30%と非常に高く、NVIDIAの株価は昨年末までの2年間で7倍近くまで高騰した。

GPUはソフトバンクグループの事業とは直接関わっておらず、運用益を狙った「純投資」であることがうかがえる。事実、ソフトバンク・ビジョン・ファンドに約3000億円もの事業利益をもたらした最大の要因は、NVIDIA株の値上がりだ。

M&Aではなく純投資と考えれば、同グループの社外取締役を務める永守重信日本電産<6594>会長兼社長が「技術革新のスピードは速いので、私なら(10分の1の)3300億円でも買わない」と切り捨てたARMをソフトバンクグループが買収したのにも納得がいく。つまりM&AでARMの事業を引き受けるのなら割高だが、投資先として運用益を狙うのであればペイするということだ。同グループは2019年に、出資先である自動車配車アプリサービスを手がける米ウーバーテクノロジーズの上場も控えており、純投資による収益増が期待できる。

永守重信日本電産会長兼社長(2018年4月25日に東京で開催した<a class=決算説明会で)" title="永守重信日本電産会長兼社長(2018年4月25日に東京で開催した決算説明会で)">
M&Aの名手・永守日本電産会長兼社長が「3300億円でも買わない」と断言するARM買収は純投資か(写真は日本電産決算説明会より)

ソフトバンクグループが進めている次世代事業分野が同ファンドの投資先と一致するため、「新たなビジネスの開拓ではなく、投資先選択のための情報収集が目的ではないか」との見方もある。もともと「純投資のカラーが強かった」と評されるソフトバンクグループのM&Aだが、ソフトバンク・ビジョン・ファンドの本格始動で「投資ファンド化」が加速しそう。要は「M&Aで事業を展開するよりも、純投資の方が儲かる」ということだ。

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