ミライト・ホールディングス(HD)<1417>はNTT向けを中心とする通信工事業界で3強の一角を占める。コムシスホールディングス<1721>、協和エクシオ<1951>に続く3番手だが、M&Aの取り組みでは互角だ。グループに不足する技術やリソースを補うためM&Aを積極的に活用し、新エネルギーや電気・空調設備分野、アジア市場など新たな事業領域を拡大してきた。

東北地盤のTTKを10月に経営統合へ

ミライトHDは2010年10月に、大明、コミューチュア、東電通の上場通信工事3社が持ち株会社方式で経営統合して発足した。社名のミライトは「未来」と「IT(情報技術)」を組み合わせたもので、情報通信技術(ICT)を核とする「総合エンジニアリング&サービス会社」の実現を旗印に掲げた。2012年にはグループの一体的な業務運営を進めるため、持ち株傘下の事業会社3社の再編を実施。大明と東電通が合併して「ミライト」となり、関西を地盤とするコミューチュアは「ミライト・テクノロジーズ」に社名を変更し、現在にいたる。

ミライトグループに新メンバーが加わるとのニュースが飛び込んできたのは4月末。同業のTTK(仙台市)<1935>株式交換で10月1日付で子会社化すると発表した。TTKは1955年に東北通信建設として設立し、東北地方で実績を積んできた。相互連携を進め、全国的な施工体制をさらに強化するのが狙いだ。持ち株会社の下で、TTKを、ミライト、ミライト・テクノロジーズと並ぶ直轄の事業会社と位置づける。

楽天が第4の携帯電話事業者に

情報通信分野は固定通信で光コラボレーションモデルが普及し、移動通信では第4世代移動通信システム(4G)の高度化や新たな周波数帯(700メガヘルツ帯など)でのサービスが始まっている。さらに本格的なIoT(モノのインターネット)時代の到来に向けて新たなソリューション需要が高まるなど、事業環境は大きく変化しつつある。

こうした情勢下、固定・移動通信関連工事を中心とする既存事業では、全体として設備投資の抑制傾向が鮮明になっており、生産性向上や業務の効率化が一層求められる一方、社会インフラ投資など新たな事業分野の開拓が課題となっている。

TTKの直近売上高は324億円。単純合計すると、ミライトHDは売上高で業界トップのコムシスHDとほぼ肩を並べることになり、業界地図に変化が生じるはずだった。ところが、5月の大型連休明け、ライバルのコムシスHD、協和エクシオが立て続けに大型の経営統合を発表。それは通信工事業界に風雲急を告げるものだった。