住友林業<1911>がM&Aをテコに海外での住宅事業を加速している。2009年以降、豪州で2社、米国で4社の住宅メーカーを矢継ぎ早に傘下に収め、目覚ましい成果を上げつつある。豪州、米国での年間販売棟数は合計9000棟に迫る勢いで、数量では国内販売を上回る。その海外住宅事業は今や全売上高の四分の一を占め、会社の屋台骨を支えるまでに成長。昨秋にはインドネシアで住宅分譲に乗り出し、成長が続くアジア市場にも照準を合わせている。快進撃はどこまで続くのか、はたまた死角はないのか。

縮小に向かう国内住宅市場、海外に活路

住友林業は木質在来住宅の最大手で、戸建て注文住宅を主力とする。しかし、国内住宅市場が盛り上がりを欠く中、苦戦を強いられている。過去5年の戸建て注文住宅の販売をみると、8999棟→9243棟→8743棟→7962棟→8098棟と一進一退で推移。足元の2018年3月期は約7700棟と減少に転じる見通しだ。

年間100万戸を超えていた住宅着工戸数はリーマンショック後の2009年、80万戸まで縮小し、現在は90万台半ばまで戻しているものの、大台回復が見通せる状況にはほど遠い。人口減や空き家の増加などにより、10年後には年間60万戸を割り込むとの予測もある。国内市場が縮小に向かう中で、今、大きく花開こうとしているのが海外での住宅事業だ。

都内にあるショールーム(東京都武蔵野市)

住友林業は現在、米国と豪州で戸建て住宅事業を展開している。すでに事業開始から15年となる米国ワシントン州シアトルでは現代的な斬新なデザインの住宅を、新たな進出地に選んだテキサス州ダラスでは伝統的なデザインの住宅を提案するなど現地パートナー各社とともに地域の特性に合わせた住まいづくりを推し進めている。また豪州には2008年、日本の住宅メーカーとして初めて進出した。

米国では2002年、シアトルの現地企業と合弁会社を設立し、翌年から年間100棟ペースで分譲住宅の販売に乗り出したのが始まりだ。シアトル近郊には現在、米国住宅事業の司令塔を担う統括現地法人「スミトモ・フォレスト・アメリカ」を置く。