アルプス電気<6770>は、傘下のアルパイン<6816>と2019年1月1日に経営統合する。当初予定より期日を3カ月前倒しするのに伴い、経営統合のスキームが変更となる。純粋持ち株会社の新設を取りやめ、アルプス電気がアルパインを完全子会社化したうえで、事業持ち株会社の下でカンパニー制を導入する。グループ内再編とはいえ、電子部品と車載情報機器を主力とする上場メーカー同士の大型M&Aでもある。アルパインの大株主である香港のヘッジファンドが統合に異議を唱える波乱要因も残るものの、新経営体制への移行によりグループ売上高1兆円の実現に弾みをつけることができるのか。

事業持ち株会社に変更で、統合を3か月前倒し

「経営統合のシナジー(相乗効果)を着実に実現し、市場における競争力を確保することが極めて重要であるとの結論に達した」。2月27日、アルプス電気とアルパインは経営統合のスキーム変更を発表した際、変更にいたった理由についてこう説明した。

これに先立ち、アルプス電気は2017年12月22日、経営統合に向けてアルパインを完全子会社する方針に変更はないとしながらも、純粋持ち株会社への移行に伴う会社分割契約を延期した経緯があり、今回のスキーム変更は想定内ともいえる。事業持ち株会社の採用で会社分割の手続きが不要となることから、2019年4月から同1月に経営統合を早め、シナジー効果を早期に引き出す狙いがある。

アルプス電気とアルパインが自動車分野での事業強化を目的に経営統合計画を発表したのは2017年7月のこと。アルプス電気は電子部品大手だが、単体ベースで売上高の6割近くを占めるのが車載用のスイッチやセンサー、通信用モジュールなど。一方、アルパインはカーオーディオやカーナビゲーションなど車載情報機器を手がける。両社が主力とする自動車分野ではカーエレクトロニクス化や自動運転に代表される技術革新が急速に進展しており、経営統合によって人材や研究開発、生産などで連携を推し進めるのが目的だ。

アルプス電気の本社(東京都大田区)…アルパインは2017年8月から“同居”する