玩具大手のタカラトミー<7867>が成長軌道に復帰しつつある。米国事業の立て直しに伴う構造改革費用がかさみ、過去5年間で3度の最終赤字に陥っていたが、2018年3月期(現在集計中)は2年連続で最終黒字と大幅増益を見込む。米国の同業大手を500億円超で傘下に収めた大型M&Aが経営の屋台骨を揺るがす事態となっていた。トミーとタカラが合併してタカラトミーが発足して早12年、長いトンネルを抜けて、攻めの経営へ視界が大きく開けてきた。

「役割を達成した」…再建の立役者・外国人社長が突如退任

タカラトミーは2018年1月、小島一洋社長が就任し、新経営体制がスタートした。経営改革を主導してきたハロルド・メイ社長が突如退任を表明したのを受け、急きょ登板することになった。2代続けての外部出身者によるトップ就任だ。

小島氏は三菱商事出身で、三菱商事系投資ファンドの丸の内キャピタルを経て2009年にタカラトミー入りして以来、経営の中枢を歩み、直前は副社長の任にあった。丸の内キャピタルとは2009年に資本・業務提携。丸の内キャピタルは一時、タカラトミーの筆頭株主(持ち株比率約12%)だったが、2015年に一連の提携関係を解消している。

「改革に道筋をつけ、自分の役割を達成できた」。ハロルド・メイ社長は自ら申し出て2017年12月末に退任した。社長在任は2年半。メイ氏は2014年にスカウトされ、副社長・海外事業統括本部長を経て、翌2015年6月に社長に就任した。同氏はオランダ人で、ユニリーバや日本コカ・コーラで鳴らした“プロ経営者”。創業家出身で15年間社長を務めた富山幹太郎氏は会長に就き、創業90年となる名門企業の再建が外国人社長に託されたのだ。

「メイ改革」の成果は数字が如実に物語っている。2018 年3月期の業績予想は売上高1777億円(前期比5.6%増)、営業利益115億円(同48%増)、最終利益70億円(同30%増)と、過去最高の利益水準を確保する見通しだ。メイ社長の就任1年目である2016年3月期に比べ、営業利益は4.5倍、最終損益は67億円の赤字から130億円近い改善を実現した。

とりわけ、懸案だった海外事業の収益改善が大きく寄与した。営業利益はそれまでの20億~30億円台から6年ぶりに100億円の大台に乗り、最終損益も赤字から決別し、2年連続の大幅黒字となる。こうした上昇局面で立役者が表舞台から立ち去るとは予想だにしなかっただけに、新経営体制のかじ取りにはいやがうえにも注目が集まる。

タカラトミーHPより:シリーズ61作目~3月末に発売した50周年記念商品「人生ゲームタイムスリップ」