食品用トレー最大手のエフピコ<7947>が事業拡大を急ピッチで進めている。2017年に再生ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂工場の新設を含む生産力増強に乗り出し、2018年5月には共同出資で新たなグラビア印刷工場を稼働した。「景気に左右されない」といわれる食品産業向けのビジネスだけに競争は厳しいが、一連の積極投資で業界トップのポジションは不動。さらに追加の大型投資でシェアアップは間違いない。この「快進撃」の原動力がM&Aだ。

トレー向けのフィルム印刷を事業買収で統合

2018年5月に稼働したのはエフピコグラビア(岡山県)の新工場。エフピコは2017年2月に同社の印刷を手がけていた川本化学(同)と共同でエフピコグラビアを設立し、新たな印刷工場を着工した。同工場では食品トレーの表面に貼る樹脂フィルムに、さまざまな色や模様を印刷する。

エフピコの印刷技術
食品トレーに彩りを添える印刷技術(同社ホームページより)

40億円を投資した新工場は延べ床面積約1万平方メートル、鉄骨造2階建てで、印刷能力は年間4億メートル。かつて食品トレーといえば、無地の白一色だったが、最近は食品の見栄えや店頭でのアイキャッチ(注目度)向上を狙う食品加工業者からカラートレー人気が高まっている。

同工場の稼働に伴い、2018年6月に川本化学からグラビア印刷事業を買収した。同事業とエフピコ子会社のエフピコアルライト(同)の印刷事業をエフピコグラビアに統合する。これまでエフピコが製造する食品容器に使用するフィルムの色や柄の印刷はエフピコアルライトと川本化学の両社へ別々に発注しており、今回の統合によりフィルム印刷のシナジー効果や生産性の向上、生産コストの低減などを目指す。

事業をエフピコグラビアに統合する一方の当事者であるエフピコアルライトも、2010年にエフピコが買収したフィルム・段ボールの製造・印刷メーカーのアルライトが源流。印刷部門については、M&Aで時間と技術を買ったといえよう。なぜそこまでしてトレー印刷に力を入れるのか?それは印刷による食品トレーのカラー化こそ、エフピコが業界トップに躍り出た要因だったからだ。