新日鉄住金<5401>が反転攻勢の姿勢を鮮明にしている。2021年3月期までの中期経営計画(2018~2020年度)でM&Aを中心とする事業投資枠を従来中計の約2倍の6000億円と設定した。現在進行中のM&A案件だけでインド鉄鋼大手エッサール・スチールの共同買収、山陽特殊製鋼の子会社化など5指に余り、目白押しだ。2019年4月にはその仕上げともいえる「日本製鉄」への社名変更という“ビッグイベント”を控える。

2017年の粗鋼生産  世界3位に順位を上げる

世界鉄鋼協会は5月末、2017年(暦年)のメーカー別粗鋼生産量ランキングを発表した。アルセロール・ミタル(ルクセンブルグ)、宝武鋼鉄集団(中国)が1、2位を守り、3位には新日鉄住金が河鋼集団(中国)を抜いて前年の4位から浮上した。昨年3月に日新製鋼<5413>を子会社化したことや、持分法適用会社であるブラジル・ウジミナスの生産増が寄与した。

ただ、新日鉄住金の粗鋼生産量は12年連続で首位に立つアルセロール・ミタルの半分で、2年連続で2位となる宝武鋼鉄集団(宝鋼集団と武漢鋼鉄集団の統合で発足)も背伸びして届く範囲ではない。2012年10月、新日本製鉄と住友金属工業の統合で新日鉄住金が発足した当時、世界2位の粗鋼生産を誇り、アジア最大の鉄鋼メーカーだったが、中国勢の台頭で4位に順位を落としていた。実際、上位10社中5社が中国勢だ。日本のJFEスチールは8位につける。

2018年3月期の業績は売上高が前期比22%増の5兆6686億円、経常利益が同71%増の2975億円、当期純益が同49%増の1950億円と大幅な増収増益を達成した。ここでも子会社化した日新製鋼が通期で業績にフルに寄与した。東京五輪や首都圏再開発に伴う建設向け、自動車向けを中心に国内の鋼材需要が上向いたことに加え、世界的な鋼材市況の回復が後押しした。新日鉄住金の誕生からすでに5年が経過。業績が好転をたどる中で、反転攻勢への素地がようやく整ってきたといえる。

順位2017年 メーカー別の粗鋼生産量単位万トン
1 アルセロール・ミタル(ルクセンブルグ) 9703
2 宝武鋼鉄集団(中国)
6539 
3 新日鉄住金(日本)4736
4 河鋼集団(中国)4556
5 ポスコ(韓国)4219
6 江蘇沙鋼集団(中国)3835
7 鞍鋼集団(中国)3576
8 JFEスチール(日本)3015
9 首鋼集団(中国)2763
10 タタ製鉄(インド) 2511
(参考)世界全体の粗鋼生産量16億8940