日立製作所<6501>が薄型テレビの国内販売を2018年10月中旬に終了すると発表した。日立は国産テレビ市場が立ち上がった1950年代後半から自社ブランドのテレビを生産・販売し、現在は薄型液晶テレビの「Wooo(ウー)」を販売している。

相次ぐテレビ事業からの「撤退」

同社は2012年に薄型テレビの国内生産を終了しており、現在は他社からOEM調達した製品を販売している。今後はソニー<6758>との業務提携を強化し、日立系の家電販売店ではソニーの薄型テレビ「BRAVIA(ブラビア)」を扱う。しかし、そのソニーも「ブラビア」の基幹部品であるディスプレーを韓国・サムスン電子やシャープ<6753>から調達しており、純然たるテレビメーカーとはいえない。

2018年2月には東芝<6502>が「REGZA(レグザ)」ブランドのテレビなど映像事業を手掛ける東芝映像ソリューションの発行済み株式の95%を中国ハイセンスグループに129億円で譲渡。テレビ事業から事実上撤退している。かつて高品質・高性能が高く評価され、世界のテレビ市場を席巻した「日の丸テレビ」は、なぜ没落してしまったのか。

画面の美しさで定評があった東芝「レグザ」も中国企業に売却された(東芝ホームページより)

マスメディアでは「中国・韓国(中韓)メーカーとの価格競争に敗れた」との見方が有力だ。が、それは「国産テレビの販売価格が下落したのに伴って、国内家電メーカーの収益が悪化した」という「結果」の話であり、「原因」ではない。

そもそも日本の家電メーカーは中韓メーカーと差別化するために、高付加価値戦略をとった。ライバルの中韓製テレビを「安いが品質や性能はそこそこのテレビ」と位置づけ、「高価格だが、性能ではダントツのテレビ」づくりを目指したのだ。つまり、国産家電メーカーは「テレビの価格競争」になど参入していないのである。