2018年9月11日、千葉市若葉区の県道で悲惨な事故が発生した。最大積載量を8トン近く超える鉄くずを積んでいた過積載の大型トラックが横転。対向車線の軽乗用車が下敷きになり、乗っていた男女3人が死亡した。それにしても不可解なのは、なぜ過積載をしていたか、だ。

貨物量の増加とドライバー不足が業界を直撃

運送業界は景気回復に伴う貨物量の増加で、輸送料金が上昇している。大手運送業者は「値上げに応じないのなら、荷物を引き受けない」と強気で、大手に引き受けてもらえない荷物が中小運送業者に殺到している。当然、荷物を捌(さば)ききれないだけに、料金は上昇を続けている。

かつては仕事が少なく、安い料金で生き残るために過積載に手を出す中小運送業者も少なくなかった。だが、現在は輸送料金の上昇で、中小の運送業者まで潤っているのだ。十分な利益が出ているのなら、過積載をする必然性もないはず。しかし、現実に過積載による事故が起こった。

実は運送業界の料金上昇の裏には、ドライバー不足という事情がある。荷物の増加にドライバーが追い付かなければ市場原理が働き、さらに料金を押し上げる。総務省の「労働力調査」によれば、トラックドライバーの従事者は2017年に約83万人。それまでの5年間では約80万~84万人と、ほぼ横ばいだ。

さらに「働き方改革」でドライバーの長時間勤務が問題となり、実労働時間は短くなる傾向にある。年齢別就業者数で50代以上が40.8%を占めるなど高齢化も進んでおり、体力的にも限界がある。実労働時間の短縮で輸送処理能力が低下するなか、押し寄せる荷物を捌くにはドライバー1人当たり、つまりはトラック1台当たりの積載量を増やすしかない。

道路貨物運送業の年齢階級別就業者構成比と就業者数の推移(全日本トラック協会資料より)