新日鉄住金<5401>が社名を2019年4月1日に「日本製鉄」に変更することを発表したのをきっかけに、企業の「改名」への関心がにわかに高まっている。かつての「日本製鉄」の名前が69年ぶりに復活する話題性に加え、同社の歩みが日本の鉄鋼業界の歴史そのものだからだ。新日鉄住金が発表した翌週には、衣料通販品サイト「ZOZOTOWN(ゾゾタウン)」を運営するスタートトゥデイ<3092>は会社設立20周年を迎えたのを節目に、「ZOZO(ゾゾ)」に10月1日付で社名変更することを明らかにした。2017年立に立ち上げたプライベートブランド「ZOZO」と社名を統一し、グローバル展開に備える狙いがある。

社名変更の理由は各社各様だが、その会社のルーツや変遷、経営戦略を知るまたとないたチャンスでもある。2018年の社名変更をめぐる動きを点検してみるとー。

「東京」が外れ、三菱UFJ銀行に

2018年1月からアルファベット表記の新社名となったのは、旅行最大手のJTBと不動産賃貸仲介のAPAMAN<8889>。JTBの旧社名はジェイティービーだが、一般にはJTBで広く浸透しており、事業ドメインの変革など「第3の創業期」を期して社名変更に踏み切った。アパマンショップホールディングスは民泊やコワーキング(共用オフィス)、シェアバイク(自転車)といったシェアリングエコノミー事業に力を入れており、業態の広がりに合わせて社名を見直した。キヤノンメディカルシステムズとして再スタートしたのは、旧東芝メディカルシステムズ。キヤノンが2016年12月、経営再建中の東芝から6655億円で買収して傘下に収めたのは記憶に新しい。

三菱UFJ銀行の本店(東京・丸の内)…行名から「東京」が外れた

4月の新年度入りと同時に、社名変更するケースは例年多い。三菱東京UFJ銀行は「三菱UFJ銀行」に行名を変えた。三菱銀行と東京銀行が合併したのは1996年4月。その後、金融持ち株会社を設立し、UFJホールディングス(三和、東海、東洋信託銀行などが統合)が合流して現在の三菱UFJフィナンシャル・グループが誕生したが、傘下の中核銀行から「東京」の二文字がついに外れた。

4月にはほかに、注文住宅の桧家ホールディングスは「ヒノキヤグループ」、アパート経営サイトを運営するインベスターズクラウドはサイト名と同じ「TATERU」、機械工具商社の大阪工機は「Cominix」、三井造船は「三井E&Sホールディングス、オフィス家具の岡村製作所が「オカムラ」といった具合だ。

金融では5月1日、東京TYフィナンシャルグループが「東京きらぼしフィナンシャルグループ」<7173>となった。東京都民銀行、八千代銀行、新銀行東京の傘下3行が合併して「きらぼし銀行」が発足したのに伴い、持ち株会社名を変更したが、きらぼし銀行としての営業初日に送金が一時行えないシステムトラブルを起こす不手際もあった。