いよいよ開幕したサッカーワールドカップ(W杯)ロシア大会。グループリーグ開幕早々、熱戦が繰り広げられている。その一つが初登場ながら、強豪・アルゼンチンと1−1で引き分けたアイスランド。

人口約33万人とW杯史上最小国の出場で話題になったが、けっしてまぐれで出場できたわけではない。イタリアやオランダなど強豪国ですら敗退した欧州予選をくぐり抜け、世界ランキングも22位と日本(61位)よりもはるかに上だ。

アルゼンチンとの善戦で、アイスランドのサッカー育成法がにわかに注目されるようになった。現在の育成システムを構築したのは、2002年にアイスランドサッカー協会の技術顧問を務めた就任したシギ・エイヨルフソン氏。彼が2014年までの12年間にアイスランドのサッカー改革を推進した。

注目すべきは「エリート選抜型」ではなく「底上げ育成型」であることだ。そもそも日本の地方都市ひとつ分の人口しかないアイスランドでエリートを選抜しようにも、対象となる選手層が薄すぎる。

ならばサッカー人口を増やし、全体の底上げをして世界に通用する選手を見い出そうとしたのだ。早い話が「サッカーをやっている国民全員が代表選手候補」という考え方だ。

エイヨルフソン氏は厳しい冬季にもサッカーが楽しめるよう屋内練習場を整備するなど環境を整えたほか、家庭でもボールに触れる時間を長くするために5-16才の選手たちに「サッカーのテクニックを学べるDVD」を無償配布している。

幼いころからサッカーに親しむ環境づくりに取り組んだアイスランド