仮想通貨交換業に大きな変革が訪れている。コインチェック(東京都渋谷区)による仮想通貨NEMの不正流出事件を機に金融庁が規制を強化したことから、セキュリティーシステムに巨額の投資が必要になったのが要因。

一部報道によると16社あるみなし業者のうちすでに5社が交換業からの離脱を表明しているほか大手企業が既存の交換業者に資本参加して同事業に参入するなどの動きが出てきた。当面この流れは変わらないとみられるため、今後も既存業者の離脱や大手企業の参入などが続きそうだ。

みなし業者5社が交換業から離脱

交換業からの離脱を表明しているのは来夢(三重県鈴鹿市)、ビットエクスプレス(那覇市)、ビットステーション(名古屋市)、ミスターエクスチェンジ(福岡市)、東京ゲートウェイ(東京都新宿区)の5社。いずれも登録が完了していない みなし業者で、5社の離脱でみなし業者の数は11社になる。登録業者数に変動はなく従来の16社のまま。

金融庁は2018年2月以降、登録業者と みなし業者への立ち入り検査を行い、セキュリティーなどの面で水準に達していないとして、FSHO(横浜市)とビットステーション(名古屋市)の2社に業務停止命令を、GMOコイン(東京都渋谷区)、コインチェック(東京都渋谷区)、バイクリメンツ(東京都港区)、テックビューロ(大阪市)、ミスターエクスチェンジ(福岡市)の5社に業務改善命令を行った。

この7社のうちビットステーション、ミスターエクスチェンジが離脱することになった。残りの5社についても離脱や提携などの動きがでてくるものとみられる。

ヤフーやLINEが参入

一方、大手企業の方は、ヤフー<4689>が仮想通貨交換業の登録業者であるビットアルゴ取引所東京(東京都渋谷区)の株式を取得することで新規参入を目指す計画が表面化している。同社は検索、オークション、ニュース、天気、スポーツ、メール、ショッピングなど多数のサービスを展開しており、仮想通貨を用いた新たなサービスで差別化を進めるものとみられる。

無料の通話やメールが楽めるアプリを手がけるLINE<3938>も交換業への参入と新たな仮想通貨の発行を計画している。すでに登録申請を行っており、登録が認められればアプリ内で現金と仮想通貨の交換が可能になる。

仮想通貨はパソコンやスマートフォンなどを用いて物の売買ができる通貨で、決済は銀行を経由しないため手続きが簡単。実際に利用できる飲食店も増えつつあり、M&A資金に仮想通貨を使用する例もある。

安全性が高まればこうした便利な機能の恩恵を受けることができるわけで、大きく変動している現在は次のステージへの過渡期と言えそうだ。

文:M&A Online編集部