フリーマーケットアプリ大手のメルカリ<4385>の上場が大きな話題を呼んでいるが、上場をしていない企業の中にも話題豊富な企業は数多くある。日本の企業数は約380万社で、上場企業は3600社ほどのため、日本の企業に占める上場企業の割合は0.1%弱しかない。上場するためには事業の継続性、収益力、経営の健全性などの上場基準をクリアしなければならないため、優良企業しか上場ができないわけだ。

しかし、こうした基準を見たしているにもかかわらず、上場を避けている企業もある。上場すれば、長期的な戦略のもとに行う投資などがやりにくくなる、敵対的な買収にさらされる-などのデメリットがあるためだ。企業規模や業界の地位で、上場会社に引けを取らないものの、あえて非上場の道を選んでいるビッグカンパニーを紹介する。

やってみなはれでビーム買収? サントリー

サントリーホールディングス(大阪市北区堂島浜)はウイスキーやビールなどの飲料メーカー。1899年に鳥井信治郎氏が大阪市に鳥井商店を開業し、ぶどう酒の製造販売を始めた。1907年に甘味ぶどう酒の赤玉ポートワインを発売。1923年に日本人の味覚にあった本格的なウイスキーの製造に乗り出し、1937年に本格国産ウイスキー「角瓶」を発売した。

「やってみなはれ」が同社の合言葉で、長年、誰もやらなかったことに挑んできた。2014年に約1兆6000億円もの巨費を投じて買収した米国のバーボンメーカー・ビームもその一例だろう。

社長は4代目までは創業家一族が勤めていたが、現在の5代目は元ローソン社長の新浪剛史氏。2017年12月期の連結売上高(酒税込み)は2兆4203億円、資本金700億円、従業員数3万7745人(2017年12月31日)というビッグな企業だ。

サントリー本社ビル(大阪市北区堂島浜)

オニヤンマが社名の由来 ヤンマー

ヤンマーホールディングス(大阪市北区茶屋町)は農機や小型建機、プレジャーボートなどを手がける企業。1912年に山岡孫吉氏が大阪市内に山岡発動機工作所を創業。ガス発動機の修理や販売を行ったのが始まり。1921年に石油発動機や動力籾すり機などを発売。2016年秋に米建機大手のテレックス・コーポレーションから欧州の中小型建機事業を約60億円で買収した。

社名のヤンマーは豊作の象徴であるトンボのヤンマトンボ(オニヤンマ、ギンヤンマなどの総称)と、創業者である山岡孫吉の名前のヤマをかけて命名した。

現社長の山岡健人氏は創業家の4代目社長。2017年3月期の売上高は7493億円、資本金9000万円(ヤンマー単体の資本金は63億円)、従業員数は1万9642人(2018年3月31日現在)という規模を持つ。


ヤンマー本社ビル(同社ホームページより)

創業400年 織田信長の元家臣が創業 竹中工務店

竹中工務店(大阪市中央区本町)は売上高1兆円を超えるスーパーゼネコン5社のうちの1社。1610年に織田信長の元家臣の竹中藤兵衛正高が名古屋で創業、神社仏閣の造営を手がけた。1899年に神戸に進出し、1923年に本店を大阪に移した。

東京タワーや日本武道館、東京ドームなどは同社が建設した施設。大手ゼネコンで大阪に本社を置くのは同社だけで、売上高は1兆2959億円(2017年度連結)、資本金は500億円、従業員数は7400人(2018年1月現在)。

2010年になんと創業400年を迎え、その3年後の2013年には創業家以外からは初めてとなる宮下正裕氏が社長に就任した。

竹中工務店本社ビル(大阪市中央区本町)

3社はいずれも創業100年を超え、本社は半径数キロ以内の場所ある。薩摩藩士で実業家の五代友厚が1878年に設立した証券取引所(大阪市中央区北浜)からも近い。新興企業の上場に沸く取引所をスタートに非上場の老舗巡りも悪くないかも。

文:M&A Online編集部