2018年6月15日の「住宅宿泊事業法」いわゆる「民泊新法」の施行で、民泊事業が大打撃を受けた。都道府県知事または保健所設置市や特別区に届け出れば、年間180日を上限に住宅での宿泊サービス(民泊)を提供できる。しかし、観光庁によると、新法が施行された6月15日時点での民泊届出件数は全国で3728件。その3カ月前には大手民泊仲介サイトで約62,000件の民泊施設が掲載されており、届け出率はわずか6.0%。6万件近くの民泊が休・廃業したか、非合法事業者として「地下に潜った」ことになる。

新法施行で「民泊総崩れ」

新法施行直前に大手民泊仲介サイトが届け出を確認できない民泊情報を削除すると同時に、予約を一斉にキャンセルした。削除された民泊は掲載物件のおよそ8割にのぼり、「民泊予約が一方的にキャンセルされた」と途方に暮れる外国人旅行者も少なくなかったという。

なぜ、ほとんどの民泊事業者が新法による届け出をしなかったのか。最も大きな要因は手続の煩雑さだ。民泊新法では20項目の記入が必要な届出書に加えて、法人で14件、個人で13件もの添付書類が必要で、これに加えて自治体が追加の書類を要求するケースがある。さらに消防法令適合通知書の提出をはじめとする消防法や食品衛生法といった関係法令への適合が求められる。

マンションなどの集合住宅での民泊となると、さらにハードルが上がる。分譲物件ではマンション管理組合の、賃貸物件では家主の許可が必要だ。が、マンション管理組合の8割以上が「不特定多数の民泊宿泊者が出入りすることで、住居環境の悪化を招きかねない」と許可を出さない方針という。

マンションなど集合住宅での民泊はトラブルが起きやすい