四国電力<9507>が2018年3月27日に臨時取締役会を開き、愛媛県伊方町の伊方原子力発電所2号機(56.6万キロワット)の廃炉を決めた。東日本大震災に伴う東京電力ホールディングス(HD)<9501>福島第1原子力発電所事故を受けて定められた新規制基準を満たすには「1900億円に近い」(佐伯勇人四国電力社長)安全対策投資を必要とし、採算が合わないと判断した。原発の廃炉は福島第1原発を除いて9基目となるが、「廃炉ラッシュ」はこれからが本番だ。

80%の原発が姿を消す可能性も

「タービン建屋の耐震補強や非常用海水取水設備の更新などで相当の費用と期間が必要となる。伊方2号機の出力や電力の需要予測などを総合的に勘案した結果、投資回収は難しい」と、佐伯社長は中村時広愛媛県知事に報告した。伊方原発は2016年3月に1号機(56.6万キロワット)の廃炉を決めており、すでに廃炉作業中。残る3号機(89万キロワット)は2016年8月に再稼働したが、広島高裁が2017年12月に運転差し止めを決定したため停止中だ。

全国に60基ある原発のうち、稼働中あるいは稼働できる状態にあるのはわずか5基。原子力規制委員会の許可を受けたが再稼働していないのが9基、審査中で許可が降りていないのが12基。いまだに再稼働申請していないのが17基、廃炉が決まったのが17基ある。

再稼働を申請していない原発17基の多くは古くて出力も小さいので、いずれ廃炉になる可能性が極めて高い。廃炉決定済の17基と合わせて34基が消える公算が大きい。申請中で未許可の12基の中にも活断層が近くにあって廃炉になるものも出てくるだろう。

再稼働許可が下りた9基ですら安泰ではない。関西電力<9503>の大飯原発3、4号機(いずれも118万キロワット)と九州電力<9508>の玄海原発3、4号機(同118万キロワット)の4基の運転再開は確実だが、残る5基は地元知事の反対や多額の追加投資が必要なために再稼働のメドが立っていない。特に関西電力の高浜原発1、2号機(同82.6万キロワット)は2500億円もの追加投資が必要で、伊方2号機同様に廃炉へ方向転換する可能性もある。

最終的には国内原発のうち最低でも過半数となる34基が、場合によっては80%に当たる48基が廃炉になりかねないのが現状なのだ。

我が国における原子力発電の現状
資源エネルギー庁ホームページより