「会場に縛られない自由な結婚式をプロデュースする」。その斬新な切り口で結婚式に魅力を感じない”ナシ婚層”にアプローチしていた「CRAZY WEDDING」が、初の結婚式場となる「アンフィニール表参道」の運営に乗り出します。場所選びも含めた、完全オーダーメイドのオリジナルウエディングがセールスポイントだった同社。「結婚式ってこんなにステキ!」。そんな「きゃっきゃ、うふふ」路線から脱し、とうとう企業として利益を出す構造へと大転換を図るのですね、という話です。この記事では以下の情報が得られます。

  • ①ウエディングビジネスの基礎知識
  • ②CRAZY WEDDINGが会場運営に乗り出す理由
アンフィニ―ル表参道
セクションエイトが運営していた「アンフィニ―ル表参道」

ウエディングのプロフェッショナル育成に成功

まずはウエディングビジネスの基本構造を説明します。結婚式を取り扱うビジネスモデルには、大きく3つあります。

  • ①自社運営の会場があるパターン
  • ②送客のみを行うパターン
  • ③会場を持たずにプロデュースに特化するパターン

    

1つ目は分かりやすいです。ホテル、ハウス、レストラン。結婚式を扱う多くの企業がこのカテゴリに入ります。帝国ホテルテイクアンドギヴ・ニーズプランドゥシー。名だたる企業はこの形。王道のビジネスモデルです。2つ目はいわゆるエージェントです。最大手は「ゼクシィ相談カウンター」です。都民共済、県民共済なども行っています。旅行代理店のように、カップルを送り込むだけなので手離れが良い点がポイント。抱えている会員やメディアの閲覧数が多い企業が勝ち組となります。3つ目がウエディングプロデュース会社です。CRAZY WEDDINGがここに入ります。

プロデュース特化型の会社は特定の会場を持ちません。”会場ありき”ではないので、やりたいこと、夢見ていたことを、カップルは自由に伝えることができます。ウエディングプランナーは、聞いた話から企画を立ち上げて、最適な場所を選ぶのです。とはいえ、プロデュース会社は複数の会場と提携しているのが普通。ほとんどのウエディングプランナーは、早々に会場を決め、ある程度の型へと落とし込みます。建前とは裏腹に、”カップルの想い”とやらを永遠と聞かされていては、予算を出すことすら難しいからです。

ところが、CRAZY WEDDINGは本来のウエディングプロデュースに忠実な仕事をして評判を呼びました。屋外にテントを張った挙式や、独特の装飾を行うなど、オリジナルウエディングと呼ぶに相応しいスタイルを体現しています。こうした結婚式は、フリープランナーと呼ばれる個人事業レベルでは、結構あります。これを組織としてやってしまったところに、CRAZY WEDDINGのクレイジーさがあるのです。一言でいうと、「よくこんな大変な(めんどくさい)ことを会社としてやりましたね」です。

詳しく説明します。一生に一度のカップルが、結婚式に明確な形を持っているわけではありません。ウエディングプランナーは、ヒアリングを通してストーリーを作り、そこに装飾、ドレス、食事などの肉付けを行うのです。しかも、すべてのカップルが打ち合わせに協力的なわけではありません。仕事の合間を縫って、短い時間で形にしなければならないのです。

さらに、ウエディングプランナーは女性が多く、一般的な割合は9:1(女性:男性)です。激務として有名で、早期退職や結婚を機にやめるケースが後を絶ちません。プロデュースを行えるプロフェッショナルの人材育成が極めて難しいのです。CRAZY WEDDINGはその壁を乗り越えて、プロデュース会社の中でも一目置かれる存在となりました。

そこまでのブランディングに成功しながらも、会場運営へと動いたのです。

アンフィニ―ル表参道のチャペル
アンフィニ―ル表参道のチャペル