与党検討委員会が2018年7月19日、九州新幹線西九州ルート(長崎新幹線)整備の中間とりまとめで、新鳥栖―武雄温泉間にフリーゲージトレイン(軌間可変電車=FGT)方式を採用しないことを明らかにした。その結果、同区間は一般の新幹線と同じフル規格か、在来線を改修したミニ新幹線のいずれかの規格になる。この決定に最もショックを受けているのは当事者であるJR九州<9142>ではなく、JR四国だろう。なぜか。

FGT導入に前のめりのJR四国

FGTは車輪幅を変更することにより、レール幅が異なる在来線(線路幅1067 mm)と新幹線(同1435 mm)を同じ車両で走行できる車両のこと。実用化すれば在来線から新幹線への直接乗り入れが可能になる。このFGTの初導入を検討していたのが長崎新幹線だった。しかし、FGTの導入を予定していたのはJR九州だけではない。実は最も熱心なのはJR四国なのだ。

JR四国の予讃線鴨川駅に停車するFGT試験車両(Photo By Spaceaero2)

新幹線にはフル規格の北海道、東北、上越、北陸、東海道、山陽、九州(鹿児島ルート)と、在来線のレール幅を新幹線と同じ1435 mmに拡幅したミニ新幹線規格の秋田、山形が存在する。両規格ともレール幅は同じなので、相互乗り入れが可能だ。

ただし、最高速度はフル規格が時速240~320kmなのに対し、ミニ新幹線では在来線の線形(カーブなど)が高速走行に適していないため同130kmに抑えられている。それでも乗り換えなしに移動できるメリットは大きく、秋田・山形新幹線は、競合する航空路線の需要を奪っている。