◆表3 話題となったTOB(買収プレミアムは3カ月平均株価で算出)
5月のM&Aは69件と、過去10年で18年(73件)に次ぐ2番目の高水準となった。コロナ下、4月は大幅に落ち込んだが、持ち直しに転じ、M&A市場の底堅さを印象づけた。ただ、海外を中心に大型案件がほぼ姿を消し、国内案件も小型化が目立つ。
3月に入り、日本企業による海外企業買収がパタリと止まっている。海外企業買収は毎月10~15件程度で推移してきたが、3月も後半入りした16日時点でわずか2件。新型コロナ感染拡大で世界的に経済活動が低下する中、M&A市場にも異変が及んだ形だ。
2019年12月のM&Aは前年同月と同数の77件だった。目立つのが大型M&Aの集中。昭和電工が9640億円を投じて日立化成を子会社化するのをはじめ、買収金額が1000億円超の案件は6件あり、このうち4件が年間ランキングのトップ10に入った。
2019年1-9月期の日本関連M&A公表案件は13.9兆円と、過去最高を記録した前年同期から52.6%減少した。第1位は、アサヒグループが113億ドル(約1兆2144億円)で買収した豪ビール最大手カールトン&ユナイテッドブルワリーズの案件