2020年3月のM&A件数は適時開示ベースで、前年同月を4件上回る86件となり、3月単月として09年(88件)以来11年ぶりの高水準を記録した。2月に比べると9件増えた。国内でも新型コロナウイルスの影響が広がる中、M&A市場への波及も懸念されていたが、数字上はひとまず先送りされた格好だ。
ただ、海外企業を対象とする買収案件は7件にとどまり、直近1年で最少となった。コロナ・ショックの拡大とともに、産業界には慎重姿勢が急速に強まっており、4月以降、国内M&A市場が縮小に転じる可能性が高い...
3月に入り、日本企業による海外企業買収がパタリと止まっている。海外企業買収は毎月10~15件程度で推移してきたが、3月も後半入りした16日時点でわずか2件。新型コロナ感染拡大で世界的に経済活動が低下する中、M&A市場にも異変が及んだ形だ。
2019年12月のM&Aは前年同月と同数の77件だった。目立つのが大型M&Aの集中。昭和電工が9640億円を投じて日立化成を子会社化するのをはじめ、買収金額が1000億円超の案件は6件あり、このうち4件が年間ランキングのトップ10に入った。
2019年1-9月期の日本関連M&A公表案件は13.9兆円と、過去最高を記録した前年同期から52.6%減少した。第1位は、アサヒグループが113億ドル(約1兆2144億円)で買収した豪ビール最大手カールトン&ユナイテッドブルワリーズの案件
2019年第2四半期のTOB件数は公表ベースで5件と前年同期比2件減に。2014年以降の第2四半期では最低の水準にとどまった。2019年累計は20件 で、前年同期より5件増加している。KDDIによるカブドットコム証券のTOBなどがあった。