2020年1月のM&A件数は適時開示ベースで、前年同月を7件上回る69件だった。1月として2009年以来の高水準。前年のM&A件数が841件と過去10年で最高となった流れを受け継ぎ、好スタートを切った格好だ。
取引金額上位3件はいずれも国内企業を対象とするTOB(株式公開買い付け)案件。前田建設工業が861億円を投じる前田道路へのTOBはグループ企業の間柄ながら、今年第1号の敵対的買収に発展し、波乱含みの年明けともなった...
2019年の企業別のM&A件数(グループ内再編を除く)を集計したところ、ソフィアホールディングスの11件(中止2件を含む)が最多で、同社が2年連続でトップだった。2位は年間5件で、SHIFT、アイカ工業、第一交通産業、電通の4社が並んだ。
建設業界では、入札できる営業エリアが限られているため、同一地域や隣接地域のM&Aが多い。その中でも目立つのは、等級の高い現場監督や500万円以上の工事を受注する際に必須となる建設業免許の獲得を目的に中小企業を子会社化する案件だ。
夏の高校野球は連日、熱戦を繰り広げている。ビジネスの世界でも今年のM&A(企業の合併・買収)件数が10年ぶりの高水準で推移し、こちらも盛り上がっている。「M&A版甲子園」と題し、M&A戦線における各都道府県の奮闘ぶりをみてみるとー。