東証適時開示ベースで、9月のM&Aは前年同月比6件減の69件となり、2カ月連続で前年を下回った。前月比では3件減った。対前年比で2カ月続いてマイナスとなるのは2018年7月以来。ただ、1~9月の累計では602件と前年同期を50件強上回り、2009年以来10年ぶりの高水準にある。
活況が続いてきたM&A市場に変調の兆しが出てきたのかどうか、その判断材料として第4四半期のスタートである10月の動向が注目される...
東証適時開示ベースで、8月のM&Aは前年同月比14件減の72件となった。前年を下回るのは5月以来の今年2回目。ただ、月別では3月82件、2月77件に続く今年3番目、8月としても過去10年で最高だった昨年に次ぐ2番目の高水準をキープしている。
2019年上期(1~6月)の企業別のM&A件数はソフトウエアのテスト事業を主力とするSHIFTが4件で最多だった。3件はテレビCM制作最大手のAOI TYO Holdings、アパレルのワールドなど10社を数える。2件だと38社に上った。
2019年第1四半期 (1-3月)のTOB件数は、公表ベースで15件と前年同期の8件より大幅増となった。当四半期の総プレミアム平均値は31.45%となっている。ポジティブプレミアム平均は35.40%。50%を超えるプレミアムのTOBは2件。
東証適時開示ベースで、2019年2月のM&Aは77件と、前年同月(60件)を約3割上回った。MBOで株式の非公開化を目指す動きも2件あった。海外案件は13件と前年並みだった。取引金額1000億円を超える大型M&Aはなかった。