ベンチャーエンタープライズセンター(VEC、東京都千代田区)がまとめた2019年(1~12月)のベンチャーキャピタル(VC)による国内向け投資額は前年を58.9%上回る2162億円(四半期の調査結果を単純集計)となった。5年連続で増加し、2000億円台に初めて乗せた。投資件数も1436件と前年より11.8%増え、過去最高となった。

カネ余りを背景に、IPO株式公開)やM&Aを通じた高リターンを求めてベンチャー企業への資金供給が一段と活発化していることがうかがえる。

だた、今年に入り、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、世界経済の減速とともに国内景気の先行きに不透明感が強まっており、ベンチャー投資の行方が注目される。

上期に初の1000億円、下期も増勢が続く

VECは四半期ごとに国内VC(事業会社によるコーポレートベンチャーキャピタルを含む)による投資動向調査を集計している。今回の第4四半期(2019年10~12月)調査には106社が回答した。

それによると、10~12月の国内向け投資額は前年同期比52%増の560億9000万円と大幅な伸びを示し、件数は360件(18件増)。4半期ベースで過去最高額だった第3四半期(7~9期)の585億円にほぼ並んだ。2019年は上期(1~6月)段階で1016億円と半期ベースで初めて1000億円を突破したが、下期も増勢が続いた形だ。

10~12月期の国内投資を業種別にみると、「コンピューター及び関連機器、ITサービス」が46.4%とトップで、以下、「メディア、娯楽、小売、消費財」22%、「金融・不動産、法人サービス」8.1%、「バイオ、製薬」7%、「工業、エネルギー、その他産業」5.7%、「ソフトウエア」5.4%が続いた。

スタートアップ企業の成長段階に応じたステージ別の投資動向は以下のとおり。「シード」18.3%、「アーリー」39.8%、「エクスパンション」18.1%、「レーター」23.7%。このうち、「レーター」の比率は前年同期より11.4ポイント、前期比だと7.1ポイント高まっており、IPOなどの「出口」を検討する段階にあるベンチャーへの投資増が顕著だ。

ファンド総額は1000億円近く増加

10~12月に新規設立されたファンドは8本、317億円。これにより、2019年の新規設立ファンドは47本(前年比1本減)と横ばいだったが、ファンド総額は3573億円(同975億円増、既存ファンドへの追加出資含む)と前年比37.5%増加した。

国内向け投資の推移(VECまとめ)

投資額投資件数
2013660億円680件
2014646億円732件
2015738億円845件
2016950億円1074件
20171257億円1151件
20181361億円1287件
20192164億円1436件

 文:M&A Online編集部