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前田建設工業<1824>、前田道路<1883>をTOBで子会社化|前田道路は自己株取得を逆提案

2020-01-20

前田建設工業は20日、持ち分法適用関連会社で道路舗装大手の前田道路(東証1部上場)に対して子会社化を目的にTOB(株式公開買い付け)を21日から実施すると発表した。TOBを通じて現在24.68%の所有割合を51.0%に引き上げる。これに対し、前田道路は同日付で、前田建設が保有する全株式を自己株取得して同社との資本関係の解消を提案する書面を送付したと発表した。今回のTOBに前田道路側が賛同していないことから、敵対的買収の様相を帯びている。

前田道路株式の買付価格は1株につき3950円で、TOB公表前日の終値2633円に50.02%のプレミアムを加えた。買付予定数の上限は2181万1300株と設定。予定通りに買い付けられれば、所有株数は既存分と合わせ4227万1300株となり、議決権ベースで51.0%に達する。前田道路の上場は維持する予定。

買付代金は約861億円。買付期間は1月21日~3月4日。買付代理人は大和証券が務める。

前田道路は道路舗装業界大手8社中、2位の大手。前身は1930年に東京都内で発足した高野組。1961年には東京・大阪証券取引所にそれぞれ2部上場したが、翌1962年に会社更生法に基づく更生手続き開始の決定に伴い上場廃止。再建に際し、前田建設の支援を仰ぎ、1968年に当時の高野建設から前田道路に社名を変更し、今日にいたる。東証1部上場は1972年。

一方、同日、前田道路が発表した資本関係解消の提案は前田建設が保有する全株式を自己株取得する内容。50年以上提携関係を継続しているが、前田建設との直接の取引は年間売上高の約1%にとどまっている。資本関係を速やかに解消したうえで、企業価値向上に向けて経営資源を最適に活用することが両社にとって最善だとしている。

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