「食糧問題への貢献」

2019年9月30日には、豪農薬大手のニューファーム傘下でブラジル、アルゼンチンなど南米4カ国に展開する現地子会社を買収することで合意する。買収金額は約700億円。南米は世界の農薬市場の約25%を占め、北米や中国を上回るエリア。巨大な農薬市場の南米で、強固な自社販売体制を築くのが狙い。2020年前半に買収完了を目指す。

住友化学はニューファームが持つブラジル、アルゼンチン、チリ、コロンビアの4現地子会社の全株式を取得する。今回の買収が完了すれば、南米での農薬売上高が約3倍に拡大し、北米を超える。南米はブラジルで大豆用の需要が大きいほか、世界有数の農業国であるアルゼンチンも有望だ。世界の食料需要増加を背景に、南米での農薬市場は一層の拡大が予想されていることからM&Aに乗り出した。

南米の農薬企業を買収し、世界最大の市場を狙う(Photo by Pierre Sudre)

農薬関連では2011年4月に保土谷化学工業<4112>との合弁会社で、住友化学が74%を出資する日本グリーンアンドガーデンを会社分割し、ゴルフ場向けの農薬・資材事業に特化した上で完全子会社化した。同7月には同社とヤシマ産業を経営統合して住化グリーンを設立。ゴルフ場や森林など非農耕地への農薬・肥料などの製造・販売や防除の請負いなどを手がけている。

日本グリーンアンドガーデンから切り出した家庭園芸・林地・鉄道分野の農薬・資材事業は新会社の保土谷アグロテックが承継し、保土谷化学工業が株式の80%、住友化学が20%をそれぞれ取得した。

「ヘルスケア分野への貢献」

2014年3月には子会社の住化分析センター(SCAS)を通じて、武田薬品工業の100%子会社である武田分析研究所から全事業を譲り受けると発表した。

同研究所は武田薬品工業研究所の分析部門を母体として1987年に総合的な試験・分析会社として設立。最新の分析装置を用い、医薬品の研究・開発・製造の各過程において不可欠な試験や、各国の薬局方など内外の公定書に準拠した各種試験分析を担ってきた。

住友化学と武田薬品工業は、同研究所と国内最大規模の総合分析会社であるSCASとの融合を図ることが、両社にとってメリットが大きいと判断し、事業譲渡で合意した。事業譲渡価額は非公表。

中期経営計画では、この分野で大型買収も明言している。住友化学グループでは抗精神病薬「ラツーダ」の特許切れも迫っており、競争力のある新薬を持つ製薬メーカーを買収する可能性が高い。