バンドー化学<5195>が12年ぶりに企業買収に乗り出した。ベルトメーカーとして110年以上の歴史を持つ同社だが、グループ外企業の経営権を握るケースは数少ない。

そんな同社が伸縮性ひずみセンサー「C-STRETCH(シーストレッチ)」を活用した医療機器やヘルスケア機器事業をベルトと並ぶ経営の柱に育てようと一大決心して、整形外科向け医療機器で高いブランド力と販売力を持つAimedic MMT(東京都港区)を2019年5月に完全子会社化することになった。

株式取得には105億5000万円を投じる。2018年3月期の売上高912億6300万円、当期純利益47億9500円の同社にとっては大きな買い物だ。

バンドー化学は中長期経営計画「BF-2(“Breakthroughs for the future”2ndステージ)」で、2023年3月期の売上高目標を1200億円、営業利益目標を120億円に設定しており、この目標を達成するための一つの課題として新規事業の売上高を120億円以上としている。

シーストレッチはこうした目標の達成のための大きな武器となるわけで、100億円を超える買収金額からは、その決意のほどがうかがえる。

コア技術から生まれた新製品

バンドー化学は2015年にシーストレッチを開発、同年から性能を試めすための研究開発キットの販売を始めた。長さや面積などの面的な伸びの大きさを検知することができるセンサーで、センサー自体に伸縮性がある。

経年劣化が小さく、繰り返し精度が高いほか、最大伸度200%までの検出が可能で、指や胸、腹などどのような個所にも貼り付けられる。用途はメディカルやヘルスケアだけでなく、ロボットやアミューズメント、スポーツなど幅広い。

バンドー化学のコア技術であるゴムやウレタン材料の配合設計やフイルムの加工技術に、導電材料の分散技術を組み合わせることで、動力を伝えたり、物を運んだりするベルトとは違った全く新しい分野の製品が生まれた。