段ボールの生みの親であるレンゴー<3941>は、2019年8月に、ドイツの産業用重量物包装メーカーのトライコー社と、機械メーカーのグットマン社の2社を買収した。取得金額は合計約323億円に達する。

同社は製紙、段ボール、紙器、軟包装、重包装、海外の6つのコア事業を中心に、積極的なM&Aなどによって、業容の拡大と収益力の向上に取り組んでおり、今回の2社の子会社化はこの一環。

2017年以降M&Aを積極化させ、2019年はすでに4件に達し、今後もこの傾向は続きそうだ。レンゴーが目指す姿とはどのようなものなのか。

全ての包装ニーズを取り込む

レンゴーは2019年4月12日に創業110周年を迎えた。同日公表したニュースリリースで、「あらゆる産業の全ての包装ニーズをイノベーションする『ゼネラル・パッケージング・インダストリー』=GPIレンゴーとして、物流と暮らしを支えていく」と決意を表明した。

レンゴーは1909年に井上貞治郎氏がレンゴーの前身である三盛舎(後に三成社に改称)を東京・品川に設立し、日本で初めての段のついたボール紙を完成し、「段ボール」と命名したことから始まる。

1920年に三成社、子会社2社、三成社と共同で電球用段ボールを納めていた栄立社と東紙器製作所の五社合併により「聯合紙器(1972年にレンゴーに社名変更)」を設立した。1923年に、大阪の板紙メーカー・日本製紙を吸収合併し、そのわずか1カ月後に関東大震災が発生。関東の工場が被災したこともあり1926年に本社を大阪に移した。

M&Aについてはその後も活発で、1972年に新聞用紙、白板紙の大阪製紙を、1976年に板紙、セロファンの福井化学工業を、1995年に包装機械の山田機械工業を、1998年に軟包装事業を手がける朋和産業をそれぞれ子会社化した。

1999年には、大手板紙メーカーのセッツと合併。段ボールだけでなく板紙でもトップメーカーとなり、板紙、段ボールの一貫メーカーとしての地歩を固めた。

2009年に重量物向け麻袋を発祥とする重包装、樹脂加工を手がける日本マタイを子会社化し、製紙、段ボール、紙器、軟包装、重包装、海外という現在の6つのコア事業を中心とする経営体制(ヘキサゴン体制)を築いた。

さらに2016年には重量物段ボールで世界ナンバーワンの実績を誇るトライウォールグループの持株会社であるトライウォール・ホールディングス社の子会社化に踏み切るなど、正にレンゴーの成長の歴史はM&Aの歴史そのものともいえるほどだ。

レンゴーの沿革と主なM&A
1909 三盛舎を興し、段ボールを製造。年末に三成社に改称
1914 初の段ボール箱を製造
1920 聯合紙器を創立
1923 日本製紙を買収し、千船工場とする
1926 大阪に本社を移転
1936 東洋一の板紙・段ボール箱一貫生産工場を完成
1945 戦災で国内6工場焼失
1965 プレプリントの段ボール箱を開発
1972 聯合紙器からレンゴーに社名変更
1972 大阪製紙を子会社化
1976 福井化学工業を子会社化
1986 不織布事業に参入し、周辺分野を拡張
1991 福井化学工業を合併
1995 山田機械工業を子会社化
1998 朋和産業を子会社化し軟包装事業に進出
1999 板紙の大手メーカーであるセッツを合併
2000 丸三製紙を子会社化
2009 創業100周年
2009 日本マタイを子会社化し、重包装分野に進出
2010 共和紙業を子会社化
2011 山陽自動車運送を子会社
2012 吉川紙業を子会社化
2013 タイの段ボールメーカー・ダイナ・パックス社、オリエント・コンテナーズ社を子会社化
2014 富士包装紙器を子会社化
2014 タイの段ボール製函メーカー・D-イン・パック社を子会社化
2014 インドネシアの段ボール・紙器メーカー・インドリス・プリンティンド社を子会社化
2015 ベトナムの軟包装メーカー・ティン・タイン・パッキング社を子会社化
2016 加藤段ボールを子会社化
2016 重量物包装資材メーカーのトライウォール・ホールディングス社(ケイマン諸島)を子会社化
2017 インドネシアの段ボールメーカー・インドコル・パッケージング・チカラン社を子会社化
2017 ポーランドの重量物包装資材メーカー・TPMSポーランド社を子会社化
2017 英国の重量物包装資材メーカーのWelsh Boxes社を子会社化
2017 段ボール箱メーカーの杉井工業所を子会社化
2018 米国の重量物包装資材メーカー・アルデズ・コンテナーズ社を子会社化
2018 三和段ボールを子会社化
2018 段ボール製品メーカーのトッパンコンテナーを子会社化
2018 英国のローズウッド社を子会社化
2018 博多段ボールを子会社化
2019 三洋加工紙を子会社化
2019 武田紙器を子会社化
2019 樽谷包装産業を子会社化
2019 ドイツの産業用重量物包装メーカー・トライコー社と、機械メーカーのグットマン社を子会社化