「水と環境」のソリューションカンパニーを標ぼうする栗田工業。その同社が北米を舞台に海外M&Aを活発化している。今年に入って水処理事業の米国企業2社を約400億円で買収し、現地ベンチャー企業への出資にも積極的だ。一連のM&Aによって北米での売上高は5倍の300億円近くに膨らむ見通しで、日本、アジアに次ぐ規模となる。

折しも今年は創立70周年の節目。北米事業拡充を踏み台に新たな成長ステージにさしかかろうとしている。

U.S.ウォーターを294億円で傘下に

栗田工業は3月末、米国子会社を通じて、水処理薬品・装置メーカー、グローバル・ウォーター・サービス・ホールディングス(GWS、デラウェア州)の全株式を取得した。GWSは持ち株会社で、傘下に事業子会社のU.S.ウォーター・サービス(ミネソタ州)を持つ。

買収金額は約294億円。2015年にドイツのBKジューリニから水処理薬品・紙プロセス薬品・アルミナ化合物事業を約342億円で取得した案件に次ぐ大型M&Aとなった。

U.S.ウォーターは米中西部を中心に全米各地に製造・販売拠点を展開する。各種水処理薬品と装置を組み合わせ、節水や省エネルギーのソリューションを提供し、食品・飲料や石油ガス、エタノール精製、電力、商業・公共施設などで約5000社の顧客を抱える。栗田は同社の顧客基盤や販売網に自社の純水供給、排水回収などの独自サービスを投入し、米国事業を加速する考えだ。

5月には「RO薬品」専業メーカーを買収

さらに米国では5月に、水処理薬品のアビスタ・テクノロジーズ(カリフォルニア州)を買収した。アビスタは英国にも同名の兄弟会社があり、栗田は約92億円で米英の2社を傘下に収めた。アビスタは水処理薬品の一つである「RO(逆浸透膜)薬品」に特化し、鉱山や化学、石油分野などに中心に製品供給している。

栗田は今年に入り、US.ウオーター、アビスタの両社買収に400億円近くを投じたことになる。しかも、米企業の買収は2017年から3年連続だ。では、その米国事業の推移や現況はどうなのだろうか。

栗田工業が本社を置くビル(東京・中野)