大阪ガス<9532>は2019年7月に、シェールガス開発を手がける米国サビン オイル&ガス コーポレーション(サビン、テキサス州)を約650億円で買収することを決めた。 

これは2030年度を最終年度とする長期ビジョンに沿った行動で、今後も今回のような海外エネルギー事業分野でのM&Aが活発化することが予想される。

さらに海外エネルギー事業のほかにも、国内のエネルギー事業とライフ&ビジネスソリューション事業を合わせた3分野を、大阪ガスを支ええる3本柱と位置付けており、これら分野でも積極的な展開が見込まれる。 

長期ビジョンとはどのようなものなのか。海外企業のM&Aに力を入れる大阪ガスは、どこに向かおうとしているのか。将来像を探ってみると。

日本企業で初めてシェールガス開発会社を子会社化

長期ビジョンは2017年3月に策定したもので、2017年度から2030年度までの14年間が対象。すでに2年半が経過しており、いくつかの動きが表面化している。その最も象徴的な事例が今回のシェールガス開発会社サビンの買収だ。 

サビンは米テキサス州東部に琵琶湖の1.5倍に相当する約1000平方キロメートルの鉱区を保有し、現在約1200本の井戸から液化天然ガス(LNG)換算で年間約170万トン相当のガスを生産している。 

開発中のサビンの鉱区(同社リリースより)

大阪ガスは2018年7月にサビンが保有する鉱区の約半分にあたる東側のガス田権益35%を取得しているが、今回の買収で西側も含めてサビンが持つ全鉱区を所有することになった。 

日本企業が米国のシェールガス開発会社を傘下に収めるのはこれが初めてで、取得価額の約650億円は2008年以降に大阪ガスが適時開示したM&Aでは最高額となる。