ホームセンター大手、コーナン商事の“東上作戦”が勢いを増している。LIXIグループ系列のプロ向け建築資材専門店「建デポ」(東京都千代田区)を6月に子会社化する。同社として過去最大のM&Aで、約240億円を投じる。コーナンは近畿圏210店舗を中心に全国356店舗(2月末)を展開するが、首都圏では50店舗にようやく届いた段階。今回の大型買収が途上にある首都圏での勢力拡大の起爆剤となるか。

首都圏100店舗がいよいよ視野に

コーナンが4月末に買収を発表した建デポは建築業者を対象とする専門店。建築資材や金物、工具、住宅設備などプロ向けの製品をそろえる。早朝6時から営業する。北海道から熊本県まで66店舗があり、このうちの約6割、40店舗が東京、神奈川、千葉、埼玉の1都3県に集中する。

建デポはもともと、建材・住宅設備最大手のLIXILの1部門として2009年にスタート。2015年8月に分社したした際、独立系投資ファンドのユニゾン・キャピタルが60%強を出資し、LIXILは持分法適用関連会社(34%出資)としていた。コーナンは今回、両社が保有する全株式(98.20%)を取得する。

買収の目的は言うまでもなく首都圏での事業基盤の拡充。ホームセンター市場は店舗数を増やしても売り上げが伸びない“オーバーストア”状態とされ、家電量販店やディスカウントストア、ドラッグストアなど他業態との競争激化も加わり、成長が鈍化している。こうした中、出店エリアを拡大するためには新規出店よりも同業他社の買収が従来にも増してカギを握る。

コーナンはホームセンター業態「ホームセンター コーナン」を主体とする計356店舗のうち、建デポと同業態の専門店「コーナンPRO」を75店舗運営している。首都圏の全51店舗中、コーナンPROは10店ほど。建デポを傘下に収めることで、首都圏でのドミナント戦略が加速し、店舗網は90店舗を超え、100店の大台がいよいよ視野に入る。

ターゲットは建築業者向け専門店

今回、出店戦略上、見逃せないのが建築業者向け専門店にターゲットを定めた点だ。コーナンPROの2019年2月期の売上高は前期比21%増の505億円で、主力のホームセンター業態(3%増の2663億円)に比べて伸び率が高い。

ホームセンターで取り扱う一般顧客向けの日用品、家電やカー用品、インテリア用品などが価格競争に陥っている。これに対し、成長が見込まれているのが建築業者向けの分野で、ホームセンター各社が力を注いでいる。コーナンは19年2月期に22店舗オープンしたが、このうち半数の11店がコーナンPROだ。

都内にある「建デポ」の店舗