「ICTの技術革新への貢献」

2013年12月に、住友化学はサファイア基板の製造・販売を手がける韓国のSSLMの株式30.1%を韓国のサムスン電子から追加取得し、子会社化した。SSLMは2011年に住友化学とサムスンLED(現・サムスン電子)が折半出資で設立したサファイア基板メーカー。

すでに保有している株式と合わせ、住友化学の出資比率は80.1%となる。グローバル競争の激化などにより、LED関連部材は厳しい事業環境にある。住友化学はサファイア基板へ、サムスン電子はLED製品へ、それぞれ経営資源をシフトすることで合意した。取得価額は非公開。

2015年2月に日立金属<5486>の化合物半導体事業を譲り受けた。GaN(窒化ガリウム)やGaAs(ヒ化ガリウム)などの化合物半導体事業(売上高39億円)を吸収分割により新会社のサイオクスへ承継した上で、その全株式を引き受けている。株式譲渡価額は非公表。

化合物半導体は携帯電話基地局やレーダーの高周波パワーアンプ、携帯端末や無線LAN機器などの受発信装置、スイッチ素子などに利用されている。2017年には住友化学の化合物半導体材料事業が同社へ統合された。

こうした積極的なM&Aの展開で、国内化学トップの三菱ケミカルホールディングス<4188>(売上高3兆9234億円、営業利益2979億円)のキャッチアップを狙っている。

関連年表

住友化学の沿革
1913年(大正2年) - 四国の別子銅山から産出した銅を新居浜工場で精錬する過程で発生する煙害となる亜硫酸ガスを処理する目的に住友総本店の直営事業として肥料製造所を設立
1915年(大正4年) - 営業開始
1925年(大正14年) - 株式会社住友肥料製造所として独立する(現在の愛媛工場)
1934年(昭和9年) - 住友化学工業株式会社に商号変更
1944年(昭和19年) - 日本染料製造株式会社を合併して、染料、医薬品分門に進出(現在の大阪・大分工場)
1946年(昭和21年) - 日新化学工業株式会社に商号変更
1952年(昭和27年) - 住友化学工業株式会社に商号を戻す
1958年(昭和33年) - 愛媛工場においてエチレンおよび誘導品の生産を開始し石油化学部門へ進出
1965年(昭和40年) - 中央研究所を設置(2003年3月閉鎖)
1965年(昭和40年) - 住友千葉化学工業株式会社を設立(1975年1月同社を合併、現在の千葉工場)
1971年(昭和46年) - 宝塚総合研究所を設置
1976年(昭和51年) - 住友アルミニウム精錬株式会社を設立(1986年同社解散)
1978年(昭和53年) - 三沢工場の操業開始
1983年(昭和58年) - 愛媛工場のエチレンプラントを休止し、千葉工場へ生産集中
1984年(昭和59年) - 稲畑産業株式会社との間で住友製薬株式会社を設立(同年営業開始)
1984年(昭和59年) - シンガポール石油化学コンビナート操業開始
1988年(昭和63年) - 大阪工場内に安全性研究棟(現在の生物環境科学研究所)を設置
1989年(平成元年) - 筑波研究所を設置
2000年(平成12年) - 住友製薬株式会社と共同運営のゲノム科学研究所を設立
2001年(平成13年) - 情報電子化学部門を新設、基礎化学・石油化学・精密化学・農業化学・医薬品との6部門体制となる
2002年(平成14年) - 武田薬品工業株式会社の農薬事業を同社との合弁子会社住化武田農薬株式会社に譲り受ける(2007年吸収合併)
2004年(平成16年) - サウジ・アラムコと世界最大級石油精製・石油化学統合コンプレックス建設に向けた覚書を締結
2004年(平成16年) - 現社名住友化学株式会社に商号変更し、登記上の本店所在地を東京都中央区新川二丁目27番1号に変更
2005年(平成17年) - サウジ・アラムコと合弁会社ラービグ・リファイニング・アンド・ペトロケミカル・カンパニー(ペトロ・ラービグ)を設立
2005年(平成17年) - 住友製薬株式会社と大日本製薬株式会社が合併し、大日本住友製薬株式会社となる
2007年(平成19年) - 高分子有機ELデバイス開発を行うケンブリッジ・ディスプレイ・テクノロジーを完全子会社化
2008年(平成20年) - 環境省の「エコファースト制度」に認定
2009年(平成21年) - ペトロ・ラービグの石油精製・石油化学統合コンプレックスの基幹プラントであるエタンクラッカーが稼動開始
2009年(平成21年) - 大日本住友製薬(株)がアメリカの医薬品会社セプラコール(現 サノビオン)を買収
2011年(平成23年) - 精密化学部門を廃止し、基礎化学、情報電子化学、農業化学の各部門に再編するとともに、農業化学部門を健康・農業関連事業部門に改称
2015年(平成27年) - 基礎化学部門、石油化学部門を再編、石油化学部門とエネルギー・機能材料部門へ改組
2016年(平成28年) - ペトロ・ラービグの第2期エタンクラッカーが操業開始
2017年(平成29年) - 韓国の子会社、SSLMでリチウム二次電池用セパレータ製造設備が操業開始

文:M&A Online編集部

この記事は企業の有価証券報告書などの公開資料、また各種報道などをもとにまとめています。