日本電産<6594>が2020年度を最終年度とする中期戦略目標「Vision 2020」達成に向け正念場を迎えている。2021年3月期の売上高目標2兆円に対し、前年の2020年3月期の売上高予想は1兆6500億円のため、最終年度に3500億円、率にして21.2%の増収が必要となるからだ。

同社では自律成長とM&Aを基軸に目標達成を目指すという。メーカーが自律成長で1年で20%以上の増収を達成するためには、それに見合った生産設備の増強が必要となる。だが日本電産のように売上高が1兆円を超える大企業が1年という短期間のうちに生産設備を20%も引き上げるのは難しいというのが一般的な見方だ。

そこで、目標達成のカギを握るのはM&Aということになる。そのM&Aの有力分野が車載モーター事業だ。2019年4月16日に実施した、車載電装部品メーカーのオムロンオートモーティブエレクトロニクスを子会社化する会見の席上、日本電産の永守重信会長は車載モーターの売上高について「これで1兆円の可能性がでてきた」と強気の見通しを披露した。

車載モーター事業で売り上げ1兆円に挑戦

「Vision 2020」では、車載モーターの売上目標は6000億円だった。これを挑戦目標として4000億円上乗せし1兆円に改めた。これによって増収額3500億円を一気に賄うことができるわけだ。

オムロンオートモーティブの子会社化について会見する永守会長

車載モーターの引き合いは非常に強く、生産が追いついていない状況にある。時間のかかる設備増強と並行して同社が狙うのは、やはり時間を買うM&Aということになる。

4月16日のオムロンオートモーティブエレクトロニクスの子会社化の発表の席上、オムロンオートモーティブエレクトロニクスの子会社化だけでは1兆円に届かないとしたうえで、今後強化したい分野はどこかとの質問に対し「あまり言うと次にどこを買うか分かる」と明言を避けつつも、はっきりとした買い意欲を見せた。

車載モーター分野での次のM&Aが「Vision 2020」達成の重要なポイントになることは間違いない。