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【野村総研】時価総額は証券超え!長期安定成長のカギはM&A
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大に伴う景気の急速な悪化にもかかわらず、2021年3月期の営業利益が6期連続で過去最高を更新する見通しの野村総合研究所(野村総研)。その原動力となっているのが豪州を中心に展開しているM&Aだ。
2021年に入り、日本企業による大型のクロスボーダー(海外)M&Aが相次いでいる。しかし、いずれも公表直後に買い手企業の株価が下落する事態に。なぜ「攻め」の戦略であるにもかかわらず、大型クロスボーダーM&Aは投資家から嫌われるのか?
2021年3月31日、日立製作所<6501>が米システム開発会社のグローバルロジックを約9180億円で買収すると発表した。日立にとっては2020年に買収したスイス重電大手ABBの送配電事業を上回る過去最大規模のM&A案件となる。
これを受けて日立の株価は、終値で前日比7.30%安の5004円に下落。この日の東京証券取引所での日経平均株価は5営業日ぶりに反落して同0.86%安の2万9178円80銭だったが、日立株の落ち込み幅はさらに大きかった。
大型クロスボーダーM&Aで株価が下落したのは日立だけではない。3月9日に米大手ソフトウエア企業を約7000億円で買収するという先行報道があった、パナソニック<6752>株の終値が同6.64%安の1329円50銭で引けている。この日の日経平均株価は同1.0%高の2万9027円と4日ぶりに反発していた。
2月8日にルネサスエレクトロニクス<6723>が英アナログ半導体メーカー大手のダイアログ・セミコンダクターの全株式を約6157億円(ほかにアドバイザリー費用約22億円)で取得すると発表すると、ルネサス株は終値で1203円と前営業日比3.61%下げた。この日の日経平均株価は同2.12%高の2万9388円50銭と1990年8月3日の2万9515円以来となる約30年半ぶりの高値で終えている。
日立は中核事業として進めているIoT(モノのインターネット)プラットフォーム「ルマーダ」のグローバル展開強化、パナソニックは企業向けのソリューション・ビジネスの強化、ルネサスは低電力技術によるIoT分野での提供範囲や能力の拡大という戦略的効果を狙っている。それにもかかわらず、3社とも投資家からそっぽを向かれたのだ。
これが、M&A(企業の合併・買収)とM&Aにまつわる身近な情報をM&Aの専門家だけでなく、広く一般の方々にも提供するメディア、M&A Onlineのメッセージです。私たちに大切なことは、M&Aに対する正しい知識と判断基準を持つことだと考えています。M&A Onlineは、広くM&Aの情報を収集・発信しながら、日本の産業がM&Aによって力強さを増していく姿を、読者の皆様と一緒にしっかりと見届けていきたいと考えています。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大に伴う景気の急速な悪化にもかかわらず、2021年3月期の営業利益が6期連続で過去最高を更新する見通しの野村総合研究所(野村総研)。その原動力となっているのが豪州を中心に展開しているM&Aだ。