中国企業のM&A戦略を紹介するシリーズ。今回は東芝のインドネシアにおけるテレビ工場を買収したスカイワース(創維数碼)グループを取り上げる。

当初、東芝は中国国内で、現地家電メーカーのスカイワースと提携し、白物家電の生産・販売面で協業を進める計画だった。しかし、東芝は2016年、白物家電部門を美的集団(マイディア・グループ)に売却したのに伴い、スカイワースとの関係は解消された。一方、インドネシアでは東芝家電製造インドネシア社のテレビ工場をスカイワースに売却することを決定した。

スカイワースとは

スカイワースは日本ではあまり知られていないかもしれないが、中国を代表するメーカーの一つに数えられる。前回記事の康佳グループ と同様、広東省深圳市に本社がある。1988年に設立され、2000年に香港証券取引所に上場を果たしている。

スカイワースは家電製品をはじめとするマルチメディア企業。冷蔵庫、洗濯機、エアコンなどの白物家電のほか、スマートテレビを生産・販売している。

中国3大テレビメーカーの一つ

スカイワースは中国で3大テレビメーカーの一角をなす。2016年のテレビ世界出荷台数シェアでは、TCL(ティーシーエル)、海信集団(ハイセンス)の中国勢2社に続いて、全体で第6位に位置する。

中国在住経験のある筆者の個人的見解であるが、スカイワースはさまざまな家電製品を扱っているが、やはり、テレビメーカーとしての印象が強い。スカイワースは現在、100型の巨大液晶テレビ、薄型液晶テレビ、サウンド・システム&信号処理部による2筐体設計のテレビ、スピーカー内蔵型を含む有機ELテレビなど幅広い品ぞろえを誇る。

東芝家電製造インドネシア社は、東芝本社と東芝シンガポール社の出資で1996年に設立され、カラーテレビの工場として稼働していた。

2016年、スカイワースはインドネシアの西ジャワ州ブカシ県のチカランで、製造現地法人「スカイワース・サウスイーストアジア・マニュファクチャリング・ベース」を開所した。東芝から買収した東芝家電製造インドネシア社を衣替えしたもので、スカイワースとして初の海外直営工場とされる。

東南アジア市場の開拓を狙う

スカイワース創業者の黄宏生氏は今後の方向性として、東芝とスカイワースの2ブランド体制としつつ、インドネシアを拠点に周辺の東南アジア全体に展開をしていくとの方針を示した。

2018年に入り、スカイワースのテレビ販売台数が好調と伝えられている。特に、中国国内で映像が高精細な4Kテレビの販売が好調という。今後はネットにつながる「スマート家電」の新製品発表が注目されている。

2015年にドイツのテレビメーカー、Metzを買収するなど、グローバル化を進めてきたスカイワース。グローバル企業として今後どこまで成長していくのか。

文:M&A Online編集部