トップ > ビジネスと経済 > 海外M&A >【M&A】英国における新たな対内投資審査体制の導入

【M&A】英国における新たな対内投資審査体制の導入

※この記事は公開から1年以上経っています。
alt

NOVEMBER 2020

英国政府は、英国の国家安全保障にリスクをもたらす可能性のある投資に対する政府の審査と介入のための新体制を導入する法案を議会に提出しました。

議会が新法案を見込み通りに可決した場合、英国政府は、英国での売上げがあるものの英国内に物理的拠点を持たない非英国事業の買収を含め、年間1,000件以上の取引について、(i)取引完了前に英国政府への義務的な通知が必要とされる(取引完了前のクリアランスを待たなければならない。)、(ii)自発的な通知がなされる、又は(iii)自発的な通知がなされない場合、場合によっては、取引完了後5年間、遡及的な審査を受け、取引に条件が課されるか取引が解消される可能性がある、と予測しています。

現在から新法が施行される日(2021年の見込み)までの間に締結される取引は、取引完了後に英国政府の審査を受ける可能性があります。影響を受ける17分野で事業を営む企業の投資家は、状況によってはアドバイザーとの協議をした上で、投資が終了した後の2021年の望まざる英国政府の介入を避けるために、現時点において英国政府と対話を開始した方が良いかもしれません。

本コメンタリーは、英国における海外投資を考えている日本企業にも関心のあるトピックと考えられることから紹介する次第です。詳細は、Jones Day COMMENTARIES “New Foreign Investment Control Regime Coming to the UK”(オリジナル英語版)をご参照下さい。

弁護士 森 雄一郎
弁護士 堀池 雅之

ジョーンズ・デイ法律事務所 「英国における新たな対内投資審査体制の導入」より転載

ここに記載されている見解および意見は執筆担当者の個人的見解であり、法律事務所の見解や意見を必ずしも反映するものではありません。

NEXT STORY

アクセスランキング

【総合】よく読まれている記事ベスト5