中国企業のM&A戦略を紹介するシリーズ。今回は2017年、英国に本拠地を置くチェリーバレー・ファームズを買収した北京首都農業グループ(首農集団)を取り上げる。買収は、中信現代農業投資(CITIC現代農業投資)と共同で行われ、買収額は約251億円(約15億元)だった。

買収はチェリーバレー・ファームズのブリーダーとしての技術や特許権なども含んだものだった。チェリーバレー・ダックは、「北京ダック」としても知られており、その発祥は中国である。中国は飼育・消費の双方で世界最大のダック市場であり、この買収は中国の食品業界にとっても念願だったとされる。

北京首都農業グループは3社から誕生

北京首都農業グループは、2009年、北京三元グループ、北京華都グループ、北京大発畜産会社の3社の組織再編によって誕生した。北京三元グループは1949年、農業開墾管理局に設立されたのが始まり。北京華都グループは1975年に北京市機械化養鶏養豚プロジェクト本部(北京市牧畜局の前身)で設立された。北京大発畜産会社は1985年に設立された。

これら3社のグループ企業は発展する過程で、北京の食品サプライヤーとして、また、中国の農業近代化の重要な役割を果たしたと言われている。 北京首都農業グループが再編された後、そのグループ傘下の従業員は4万人を超え、企業数は64社、中国と外資企業による合弁企業は26社、外国会社は2社となった。

首都最大の農業関連企業に

北京首都農業グループは、家畜・家禽の品種改良、繁殖と育成、養殖、食品加工、バイオテクノロジー、物流など各方面の効率化を図ることにより、農村から食卓までの完全なサプライチェーンを形成していった。

北京首都農業グループは傘下に、5社の国家重点農業産業化の企業を持ち、「三元」、「華都」、「双大」の3つの中国食品ブランドを持つ。海外でも有名企業と協力関係を持ち、市場競争力と影響力を背景に、首都・北京における最大の農業国有企業に発展を遂げる。

このように北京首都農業グループは、近代的な農業、畜産業、食品の加工業と物流業を発展させた。そして、中国国内での主導的地位を高め、北京のシンボル的な農業グループとなった。