グーグルの持株会社である米アルファベットが、ウエアラブル端末メーカーの米フィットビット(Fitbit)を21億ドル(約2285億円)で買収した。先行する米アップルの「アップルウォッチ(Apple Watch)」に対抗して「グーグルウォッチ」の投入を狙うとみられている。今回は買収されたFitbitだが、同社もまたM&Aによって成長した企業だ。

「健康」と「スマートウォッチ」でM&A

Fitbitは2007年3月の設立された家電メーカー。同社は2013年5月に付属のバンドで手首に装着できる最初の製品「Fitbit Flex」を、2014年10月に腕時計型ウェアラブル端末(スマートウォッチ)の「Fitbit Surge」を発表している。

Fitbitは2015年5月にニューヨーク証券市場へ上場。翌2016年10月に自社の位置づけを「デジタルヘルスケア会社」に変更している。そのきっかけとなったのが2015年3月のフィットネスコーチングアプリを手がけるFitstarの1780万ドル(約19億3000万円)での買収だった。

2016年3月にスマートクレジットカードを手がけるCoinを買収。同社のハードウエア部門は廃止となり、同社が発行していた「Coinカード」の取り扱いも中止している。同12月には経営破綻したスマートウォッチメーカーPebbleの知的財産を2300万ドル(約25億円)で買収した。

さらにFitbitは2017年1月にルーマニアでスマートウォッチを手がけるスタートアップ企業のVector Watch SRLを買収。2018年2月には健康管理ソフトウエアを手がけるスタートアップ企業のTwine Healthを買収している。

M&Aではなかったが、2018年3月にFitbitは独アディダス(Adidas)と提携してAdidasブランドの「Fitbit Ionic」を発売した。このようにFitbitによるM&Aは、「健康」と「スマートウォッチ」を目的に進められたのだ。

Fitbitの活動記録(ログ)は、米国で犯罪捜査に利用されて話題になったこともある。そのためアルファベットに買収されたことでFitbit端末で蓄積された個人情報がグーグルに流れ、ターゲット広告用などに転売される可能性も指摘されている。

これに対してFitbitは買収後にグーグルがスマートウォッチで集めたログデータを使用したり販売したりすることはないと表明している。

文:M&A Online編集部