中国企業のM&A戦略を紹介するシリーズ。今回はカナダの石油大手、ネクセン(Nexen)を買収した「中国海洋石油集団有限公司(CNOOC:China National Offshore Oil Corporation)」を取り上げる。

2013年、中国海洋石油は香港の子会社を通じて、151億ドル(約1兆4千億円)でネクセンを買収した。ネクセンは米国内に権益を持つため、米政府も審査しており、米政府の承認が得られたことで、この年に買収手続きが進められることとなった。

中国の3大石油企業で最先発

中国の石油業界には、3つの大手企業が存在する。中国石油天然気(ペトロチャイナ)、中国石油化工(シノペック)、そして中国海洋石油だ。中国海洋石油の歴史は3社の中で最も古く、1982年に北京で設立された。

当時、中国政府は自国領海付近の大陸棚での海上油田開発を進める意向を持っていたが、自国のみでは技術力と資金力がなかった。そこで、外資に海上油田開発を開放した。その際、海外企業のパートナーとして共同で開発を行う海上石油採掘事業に関する中国側の受け皿として、中国海洋石油が設立された。

こうした経緯から、当初、中国海洋石油は中国大陸の領海付近での石油資源開発に関して、独占的な地位を得てきた。2001年には、香港の子会社が香港市場とニューヨーク市場に上場を果たしている。

その後、ペトロチャイナやシノペックなどの国内企業が参入を許可される。2006年には中国のWTO(世界貿易機関)加盟により、国内の石油小売・卸売市場はメジャー各社など海外企業に開放され、中国海洋石油は競争環境にさらされることとなった。

米ユカルノ買収は失敗に

実は2005年、中国海洋石油は米石油大手のユノカルの買収を試みたことがある。もともと、ユノカルはスーパーメジャーと言われる米シェブロンと合併する方針であったことに加え、米国内の政治的な反発も多かったため、この買収は失敗に終わっている。