自動車および自動車部品業界の2019年は、次世代技術の「CASE」をにらんだ業界再編が本格化した1年だった。CASEとは「Connected(コネクテッド=インターネットとつながる)」「Autonomous(自動運転)」「Shared&Services(カーシェアリングなどのサービス)」「Electric(電気自動車)」の頭文字を取ったもの。2016年のパリモーターショーで、独ダイムラーAGのディエター・チェッチェ最高経営責任者(CEO)が提唱し、自動車産業界に広まった概念だ。

CASEのデファクトスタンダードを狙う再編

いずれも従来の自動車産業とは異なり、莫大な研究開発費と異業種からの技術移転が必要になる。さらには全くの新技術だけに規格が乱立しており「業界標準」を握ったメーカー以外は生き残れないため、大手メーカーは規模拡大によるデファクトスタンダード化(最も大きなシェアを持つ規格が事実上の標準になる)を狙う。

かつては車台共通化や部品の共同調達など、主にコスト削減が狙いだった自動車メーカーの業界再編も、今やCASE規格の主導権を握るのが目的になっている。その「象徴」といえるのが日産自動車<7201>と三菱自動車<7211>、仏ルノーの3社連合における混乱だろう。

ルノーと日産の関係がぎくしゃくしているのは、両社のアライアンスが発足した当初の「規模拡大によるコストダウン」の効果が魅力的でなくなったことを意味する。いくら低コストで生産したところで、売れなければ意味がない。日産からみればコストダウンで得られる利益よりも、ルノーと共同の調達や開発による制約で売れない車しか作れないデメリットの方が大きいのだ。