「第46回東京モーターショー2019」が閉幕した。長期低迷が続いていた東京モーターショー。2020年の東京オリンピック開催準備のためメーン会場の東京ビッグサイトの一部しか使えず、会場が分断されるなどの不安材料はあったものの、総入場者数は130万900人と2007年以来、12年ぶりに100万人を突破した。

2017年に開かれた前回ショーの77万人に比べると約1.7倍もの集客実績だ。会期が前回よりも2日間長い12日間(1.2倍)だったことを差し引いても、大幅な増加と言える。だが、東京モーターショーは2年後の2021年にも開かれる。入場者急増の勢いを止めず、さらに盛り上げるためには何が必要なのか?今回の成功事例をもとに考えたい。

積極的な物販による「無料化」の拡大

先ずは「無料化」の拡大だ。主催の日本自動車工業会は有料・無料入場者の内訳を明らかにしていないが、入場料無料の14歳以下の来場者の割合は前回の約1.7倍に増えている。今回は無料枠を前回の中学生以下から高校生以下にまで拡大しており、入場者増に一役買ったことは想像に難くない。

次回も入場者数を増やすには無料枠の維持、できれば拡大が必須だ。しかし、無料枠を拡大すれば誰が経費を負担するのかという問題に突き当たる。手っ取り早いのは自動車メーカーをはじめとする出展者の負担増、すなわち出展料の引き上げだ。が、2年後の自動車業界の状況は不透明で、業績が悪い場合は自動車メーカーの出展取りやめや展示スペースの縮小などを招きかねない。

ならば、入場料以外の収入源をつくる必要がある。「モーターショーの再定義」だ。米国のトップミュージシャンや国内のジャニーズタレントの収益源はCDをはじめとする音楽ソフトから、コンサートでの入場料収入や物販にシフトしている。とりわけ利益率が高いのが「コンサート会場でしか買えない商品」の販売という。

つまり「東京モーターショーでしか買えない商品」を売ることだ。現在も東京モーターショーのオリジナルグッズを会場で販売しているが、内容は「観光地のお土産」レベルでお話にならない。

たとえばユニクロが数量限定で販売しているトップデザイナーとのコラボTシャツのような、「誰もが欲しがる」商品を準備すべきだろう。そうしたTシャツを入場料込みで事前販売し、着用していれば顔(服)パスで入場できるような「仕掛け」も楽しい。

各社のブースでは物販が花盛りだった

高額商品を売るのも手だ。トヨタ自動車<7203>がAE86型「スプリンタートレノ」のデッドストックを1000万円で売るといった話題づくりにもなる物販でショーを盛り上げ、その収益で運営費を賄うといったユニークな工夫に期待したい。