世界60カ国以上のスタートアップ企業が優勝投資賞金100万ドル(約1億900万円)を競い合う「スタートアップワールドカップ2020」の東京予選が開かれ、東京代表にソーラー発電所の設置や電力の小売りなどを手がけるLooop(東京都台東区)が選ばれた。

大阪予選(2020年2月6日開催)で選ばれる大阪代表と合わせた2社が日本代表として2020年5月22日に米国のシリコンバレーで開かれる世界決勝戦に出場する。

ハエを味方につけたムスカはサントリー賞に

東京予選では東京代表のほかに、 セガサミーグループ賞(賞金5000万円)にシナモン(東京都港区)が、日本マイクロソフト賞(日本マイクロソフトとの事業提携交渉が可能)にノルミー(東京都中央区)が、サントリー賞(サントリーとの事業提携交渉が可能)にムスカ(東京都港区)がそれぞれ選ばれた。

スタートアップワールドカップはシリコンバレーのベンチャーキャピタルであるペガサス・テック・ベンチャーズが主催するビジネスコンテスト。

今年が4回目の開催で、審査項目は問題意識や市場規模、顧客や売り上げの伸び、ビジネスプランなど7項目。

東京代表となったLooopは、2011年3月に東日本大震災で被害を受けた宮城県石巻市と気仙沼市の複数の施設に独立型ソーラー発電セットの無償設置を実施したことがきっかけで設立された企業。

初年度の2011年に3200万円だった売上高は7年後の2019年3月期には1688倍の540億3100万円に急拡大している。

同社はスタートアップワールドカップ東京予選について「来年10期目ではありますが、ベンチャー魂を持ち続ける当社のさらなるチャレンジをアピールさせていただきます」とのコメントを発表していた。

セガサミーグループ賞のシナモンは、AI(人工知能)を活用した OCR(光学文字認識)「Flax Scanner」を中心に、独自開発の人工知能エンジンを提供している。日本マイクロソフト賞のノルミーは、近赤外線などの専用装置が不要な非接触型の静脈・掌紋認証システムを個人認証プラットフォームとして提供している。

サントリー賞(サントリーとの事業提携交渉など)のムスカは、ハエの一種であるイエバエを活用し、畜産糞尿を有機肥料や飼料に100%リサイクルする循環システムを開発した。

【スタートアップワールドカップ2020東京予選に出場した10社の事業内容】

社名事業内容
アップセルテクノロジィーズ AI(人工知能) を用いた顧客データの自動解析や有人と AI ボットのハイブリッドチャットボットプラットフォームなどの提供
トイメディカル 熊本大学と共同で開発した食前に服用するだけで食品塩分の吸収を抑制できるサプリメント「Del Salt」の販売
Lily MedTech X線による被ばくリスクや、圧迫による検査時の痛みなどがない超音波を使用した乳房用画像診断装置の開発
Looop ソーラー発電所の設置と太陽光発電システム機器、電力の小売り販売などのインフラサービスの提供
サウンドファン  難聴であっても言葉が明瞭に聴こえる「ミライスピーカー」の開発と提供
シナモン  AIを用いた OCR(光学文字認識)「Flax Scanner」を中心に、独自開発の人工知能エンジンの提供
ノルミー       近赤外線などの専用装置が不要な非接触型の静脈・掌紋認証システムを個人認証プラットフォームとして提供
ハチたま   AI を活用しカメラで猫の顔や状態判定、自動餌やりも可能なスマート猫用トイレ「Toletta」の開発
フローディア 電源を切ってもデータが消えない不揮発性メモリーの IP(知的財産) ライセンスの販売
ムスカ ハエの一種であるイエバエを活用し、畜産糞尿を有機肥料や飼料に100%リサイクルする循環システムの開発


文:M&A Online編集部