ご注意ください
この記事は公開から1年以上経っています。掲載されている情報は、公開当時のものです。

【旭硝子】なぜ業界トップがM&Aで「ガラスの天井」に挑むのか

alt

「手痛い失敗」も経験

M&Aでの手痛い失敗もあった。1999年に韓国大宇グループから買収したブラウン管ガラスメーカーの韓国電気硝子だ。当時、旭硝子のブラウン管ガラスの年間売上高は約1800億円で、国内はもとより米国、シンガポールなど世界7カ国に生産拠点を開設し、主に日本の家電メーカー向けに供給していた。当時、ブラウン管ガラスの市場規模は6000億円程度で安定しているうえ、旭硝子は付加価値の高いワイドフラットブラウン管ガラスで差別化に成功しており、同社にとっては「おいしい市場」だったのだ。

初期のブラウン管向け管球ガラス
初期のブラウン管向け管球ガラス(同社ホームページより)

そのブラウン管ガラスの世界トップシェアを握っていたのが日本電気硝子<5214>だった。1999年当時の同社のグローバルシェアは約38%。それに対して旭硝子は約29%であり、世界4位でシェア約10%だった韓国電気硝子を買収で取り込めば、日本電気硝子を抜き去り世界ナンバーワンが実現する。「全商品で世界のナンバーワンかナンバーツーを目指す」としていた石津進也社長(当時)にとって、願ってもない買収相手だった。おりしも当時の韓国はアジア通貨危機のあおりを受けて、韓国電気硝子の親会社である大宇グループは解体が進んでおり、買収はとんとん拍子で進む。

ところが、買収直後からブラウン管ガラスの市況は失速。旭硝子は韓国電気硝子株の持ち分51%のうち20%を、同社製ブラウン管ガラスの半分を納入していた韓国家電大手のLG電子に譲渡して大口取引の安定を図る。ここで手を引いておけば良かったのだが、2003年に旭硝子は日本電気硝子が保有していた韓国電気硝子株を取得して持ち株比率を42%に引き上げた。

M&A Online編集部

M&Aをもっと身近に。

これが、M&A(企業の合併・買収)とM&Aにまつわる身近な情報をM&Aの専門家だけでなく、広く一般の方々にも提供するメディア、M&A Onlineのメッセージです。私たちに大切なことは、M&Aに対する正しい知識と判断基準を持つことだと考えています。M&A Onlineは、広くM&Aの情報を収集・発信しながら、日本の産業がM&Aによって力強さを増していく姿を、読者の皆様と一緒にしっかりと見届けていきたいと考えています。


NEXT STORY

ジョンソンエンドジョンソンがバイオ企業アクテリオンに買収打診

ジョンソンエンドジョンソンがバイオ企業アクテリオンに買収打診

2016-12-14

スイスの製薬会社アクテリオンにジョンソンエンドジョンソンが買収を打診したようです。アクテリオンとはどのような会社なのでしょうか。

関連のM&A速報