富士フイルムホールディングス(HD)<4901>がついに米ゼロックス(コネチカット州)を買収する。事務機で世界トップに立ち、グループの総売上高は3兆円を大きく突破する。

 M&Aをテコに、事業の入れ替えを進め、本業の写真フィルムの市場消失という難局を乗り越えた同社。その象徴といえるヘルスケア事業は今や経営の屋台骨を背負う。新たな“生態系ができあがる中、今回のゼロックス買収は半世紀にわたる日米合弁事業の到達点であると同時に、新たな出発点でもある。

ゼロックス買収、ドキュメント事業で HPと並ぶ世界トップに

「当社最大のドキュメント事業のさらなる強化と、将来の柱となる事業領域での成長投資の継続を同時に実現する」。1月31日、米ゼロックスの買収を発表する記者会見で、富士フイルムHDの古森重隆会長・CEOはこう意気込みを語った。

 富士フイルムHDは子会社の富士ゼロックスとゼロックスを統合させ、その新会社の株式の過半の50.1%を取得し、傘下に収める。買収金額は6710億円と巨額だが、グループ外への資金流出がない画期的な手法を用いる。2017年12月末の手元資金(現金・現金同等物)は約6500億円にのぼる。投資余力をそのまま維持することで、ヘルスケア、高機能材料などの成長領域にM&Aを含め積極投資を継続する方針だ。

 直近売上高は富士ゼロックス1.1兆円、ゼロックス1.2兆円で、合計で約2.1兆円(内部取引を控除)となり、業界地図を塗り替える。複写機、複合機(プランターやスキャナー、ファクシミリなどの機能を併せ持つ)などのドキュメント事業の世界トップは米ヒューレット・パッカード(HP)で2.1兆円。2位以下はキヤノン(1.8兆円)、リコー(同)、ゼロックス、富士ゼロックス、コニカミノルタ(0.8兆円)、セイコーエプソン(0.7兆円)、ブラザー工業(0.4兆円)と日本勢が上位を占める。現在4、5番手のゼロックス、富士ゼロックスは統合後、HPと並ぶ首位に躍り出る。

ゼロックス・コーポレーション本社(米コネチカット州)/富士ゼロックス提供