国内最大のポータルサイト・ヤフー<4689>と、国内SNS大手のLINEの経営統合が進んでいることが明らかになった。ヤフーを持つソフトバンクグループ<9984>とLINEを持つ韓国ネイバーが50%ずつ折半出資した新会社の子会社に、ヤフーの持株会社であるZホールディングスを置く。そしてZホールディングスが、ヤフーとLINEを完全子会社化する構想だ。

LINEアプリの利用者は約8000万人、ヤフーのサービス利用者は5000万人に上り、1億人を超える金融・小売りを含めたインターネットサービスのプラットフォームが誕生する。米国や中国のメガプラットフォーマーに対抗できるとの呼び声も高い。

中途半端なプラットフォーム

が、現実は厳しいだろう。両社の経営統合が、米中のメガプラットフォーマーに匹敵するグローバルパワーをもたらすとは考えにくい。なぜなら、今回の経営統合はネットのプラットフォーマーとして国内での存在感低下を食い止めるための施策だからだ。

日本国内でヤフーのサービスのうち競争力が高いのは月間150億ページビュー(PV)を誇るニュース配信サービス「Yahoo!ニュース」と、スマホ決済の「PayPay」ぐらい。その他のサービスは厳しい競争にさらされている。

かつて個人間売買仲介サービスでは「向かうところ敵なし」だったネットオークションサービスの「ヤフオク」は、フリマアプリサービスのメルカリ<4385>に押され気味だ。2019年10月17日にオープンしたばかりのオンラインショッピングモール「PayPayモール」の出店数は約600店と、米アマゾンの日本版や楽天<4755>の楽天市場に遠く及ばない。

ネット旅行予約サービスの「一休」は楽天が展開する「楽天トラベル」に大きく水をあけられている。動画配信サービスの「GYAO!」も有料サービスでは存在感がない。傘下にあるオフィス用品通販大手のアスクル<2678>は好調だが、前社長と社外取締役3人が約45%の株を保有するヤフーによって事実上、解任されるなど関係はぎくしゃくしている。

Zホールディングスはネットビジネスのテコ入れをしようと、同11月14日にファッション通販サイト「ZOZOTOWN」を展開するZOZO<3092>TOB株式公開買い付け)を完了し子会社化(持株比率50.1%)したが、創業者でカリスマ経営者だった前澤友作前社長が去った影響は未知数だ。

ZOZOの子会社化でヤフーにおけるネットビジネスのテコ入れを図る(写真はZOZO子会社化記念Tシャツ、同社ホームページより)