日本ペイントホールディングス(HD)<4612>は、2020年4月に東京本社を設置し、大阪と東京の2本社制に移行する。 

海外企業のM&Aを活発に行うなどグローバルな事業展開を推し進めた結果、直近の海外売上高比率が71%、海外従業員比率が87%に達したため、東京にグローバル本社機能を持つ東京本社を新設することにした。 

東京都中央区の賃貸オフィスで業務を開始し、2023年に東京都品川区の現東京事業所を再開発し移転する。 

2006年以降の買収はすべて海外企業     

日本ペイントHDがホームページで公表している沿革によると主なM&Aは14件に上る。1974年から2006年までに実施した3件はいずれも買収対象が日本企業だったが、2006年の米国企業の買収以降の11件はすべて買収対象が海外企業となっている。 

今年もすでにトルコの企業と、買収金額が過去最高額となるオーストラリアの企業の2社の子会社化を発表しており、クロスボーダー(国際間取引)の規模を拡大させている姿が浮かび上がってくる。 

子会社化するオーストラリアの企業は、同国塗料メーカー最大手のデュラックスグループ(ビクトリア州クレイトン)で、37億5600万豪州ドル(約3005億円、発表時点)を投じて全株式を取得し完全子会社化した。 

デュラックスは塗料事業のほか、DIY(日曜大工)用品を手がけており、日本ペイントHDは同社を取り込むことで、世界的に需要規模が大きく、成長余地の大きい建築用塗料の事業基盤を強化する。2018年9月期の売上高は18億4400万豪ドル(約1480億円、同)、営業利益は2億2300万豪ドル(約180億円、同)だった。 

トルコの企業は塗料大手メーカーのベテックボイヤ(イスタンブール)で、14億700万トルコリラ(約281億円、同)を投じて、株式の95.915%を取得した。ベテックボイヤは建築用塗料や建築用材料などを手がけており、建築用塗料ではトルコでトップシェアを持つ。2018年12月期の売上高は17億5000万トルコリラ(約350億円、同)、営業利益は7600万トルコリラ(約15億円、同)だった。 

日本国内の塗料市場が伸び悩む中、日本ペイントHDは2018 年度にスタートした 3 カ年の中期経営計画で「アジアでの圧倒的ポジションを確立し、グローバルに成長を加速する」ことを目標に掲げている。

この方針に沿って、中止となったものの2018年11月には中国の工業用塗料メーカー2社を買収する計画を発表するなど、M&Aの動きを強めていた。グローバル本社機能を持つ東京本社の業務がスタートすれば、この動きはさらに加速しそうだ。

日本ペイントHDの沿革と主なM&A
1881 東京・三田に共同組合光明社を設立
1898 日本ペイント製造を設立
1920 経営の中心を大阪に移す
1927 日本ペイントに社名を変更
1931 本社を大阪に移転
1974 朝日ソルベント工業をグループ会社化(現エーエスペイント)
2004 三井金属塗料化学をグループ会社化(現日本ペイント防食コーティングス)
2006 日本ビー・ケミカルを買収
2006 米国ROHM AND HAAS AUTOMOTIVE COATINGSを買収
2007 NIPPON PAINT (THAILAND) CO., LTD.を連結子会社化
2008 台湾、中国ASIA INDUSTRIES, LTD.を連結子会社化
2008 韓国NIPSEA CHEMICAL CO., LTD.を連結子会社化
2008 NIPPON PAINT PHILIPPINES, INC.を連結子会社化
2014 持株会社体制へ移行
2014 日本ペイントホールディングスに社名変更し、事業会社として日本ペイントを新設分割
2014 香港のWUTHELAM HOLDINGS LTD.との間の合弁会社8社と、それらの子会社38社を連結子会社化
2016 独 BOLLIG & KEMPER GMBH & CO. KGを完全子会社化
2017 中国・恵州HUIZHOU CRFを連結子会社化
2017 米国DUNN‐EDWARDS CORPORATIONを完全子会社化
2019 トルコBETEK BOYA VE KIMYA SANAYI ANONIM ŞIRKETIを子会社化
2019 豪州DULUXGROUP LIMITEDを完全子会社化

文:M&A Online編集部