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JR西日本が自社路線のない地域で「ICOCA」を普及する理由

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西日本旅客鉄道(JR西日本)<9021>は子会社のJR西日本テクシアと共同で、同社が提供する交通系ICカード「ICOCA」のローカル私鉄やバスといった地域交通での利用促進に取り組む。

「ICOCA」を低コストで開放

2019年3月にJR境線へ導入した簡易型IC車載機を外部開放し、ICOCAによる地方版MaaS(Mobility as a Service=複数の交通手段を統合してワンストップで予約・決済・利用可能なインフラ)を構築する。2021年春のサービス開始を目指す。

簡易型IC車載機のイメージ図(同社ホームページより)

四国、貨物を除くJR5社が発行する交通系ICカードは、主に大都市周辺がサービスエリア。エリア内では地下鉄を含む私鉄やバスでも利用できる。しかし、大都市圏を離れると私鉄やバスは独自のICカードや現金しか使えないケースがほとんど。こうした地域でMaaS導入の第一歩として、過疎地での「ICOCA」展開を試みる。

ローカル私鉄やバスと「ICOCA」インフラを結合することで、地域交通事業者のシステム投資・運用負担を軽減して交通系ICカードを導入できる環境を提供するのが目的だという。利用者にとっても、1枚の交通系ICカードですべての公共交通機関を利用できるMaaS環境のメリットは大きい。

だが、JR西日本の狙いはMaaS環境の整備に留まらない。今や交通系ICカードは単なる「乗車券」ではなく、国内電子マネーのトップランナーだ。発行枚数は全国で約1億6000万枚、JR系だけでも1億枚を超える。

鉄道を利用しない人でも交通系ICカードを決済手段として利用することはできるが、交通機関の運賃支払に使わないのならばわざわざ選択はしないだろう。「楽天Edy」や「nanaco」「iD」といった非交通系の電子マネーとの競争でも優位性はない。

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