日本電産<6594>がスマートフォンの5G(第5世代移動通信システム)向け冷却部品事業に乗り出した。

傘下に収めた台湾のCCIに大規模投資

2018年11月にTOB株式公開買い付け)で48%の株式を取得した台湾の Chaun-Choung Technology Corp.(CCI)が持つ技術を活用するもので、ヒートパイプ(パイプ状の熱拡散部品)やペーパーチャンバー(平板な熱拡散部品)などの伝熱、放熱部品を拡販する。

日本電産の永守重信会長は10月24日に行った2020年3月期第2四半期の決算説明会で、「(CCIで)新工場を建設しており、大規模な投資を行っている」とし、5Gをはじめ車載関連や通信・IT関連を含めたトータルのCCIの売上高が2022年には、2017年12月期の4倍に当たる1000億円に達する見通しを明らかにした。

冷却部品事業で2022年に1000億円

永守会長は「5Gは熱が4Gの100倍になるため、マイクロファンではダメ。冷却ソリューションの会社を探して、CCIを買った」と経緯を説明。さらに「(5G用の機器を)触ったら火傷をした。テープを張っていた」とエピソードも披露した。

CCIは1973年設立の冷却、伝熱、放熱などの熱関連機器のメーカーで、5Gなどのスマートフォン関連のほか車載関連ではカーナビゲーション、オーディオ機器、電子制御装置(ECU)、バッテリー、ヘッドライトなどの冷却部品、通信・IT関連では基地局やゲーム向けのヒートパイプやペーパーチャンバーなどを手がけている。

2017年12月期の売上高は70億6700万台湾ドル(約250億円)で、営業利益は7億6700万台湾ドル(約27億円)だった。日本電産は44億7600万台湾ドル(約158億円)で株式を取得した。

近年、製品の小型化、省電化に対応するため、機器の放熱、冷却性能を求める動きが強まっており、日本電産ではモーター単体だけでなく、冷却性能を向上させるモーターの開発などが課題となっていた。

5Gはすでに米国や韓国でサービスが始まっており、日本では2020年春から商用サービスがスタートする予定。高速で大容量データの送受信が可能なため、臨場感のある立体映像などが楽しめるほか、遅延時間が短いため、格闘ゲームやシューティングゲームなどを快適に利用できる。

すでにNTTドコモ<9437>が商用サービスと同じ環境で、5Gプレサービスを始めたほか、KDDI<9433>やソフトバンク<9434>も9月から㏚や普及のための取り組みを展開している。

文:M&A Online編集部