ポテトチップスやじゃがりこ、かっぱえびせんなどを製造販売するカルビー<2229>が海外企業の買収を積極化している。2018年10月に英国のスナック菓子メーカーSeabrook Crisps Limitedを子会社化したあと2019年10月に米国のスナック菓子メーカーWarnock Food Products,Incを傘下に収めた。 

同社が公表している沿革では、これまで実施した企業買収は1984年の東京スナック食品(2006年11月清算)と、2009年の菓子、食料品メーカーのジャパンフリトレー(茨城県古河市)の2件しかない。 

これに対し海外企業の買収はわずか1年ほどの間に2件に達した。この背景には何があるのか。 

海外売上高を5年で2倍に     

カルビーの国内売上高は2018年3月期にマイナスに転じ、2019年3月期は2年連続で前年実績を割り込んだ。一方、海外売上高は2018年3月期にプラスに転じ、2年連続で前年実績を上回っている。 

スナック菓子などの国内市場は人口の減少や、健康志向、女性の就業率向上などが影響し、大きな伸びが見込めない状況にある。一方、海外は欧米やアジアなどでの成長の余地は大きい。

こうした状況を踏まえ、2019年5月に作成した2030年に目指す姿を表した長期ビジョン(2030ビジョン)と、この長期ビジョンの実現に向けた2024年3月期を最終年度とする5カ年の中期経営計画では、海外売上高の大幅な伸長を目標に掲げた。 

その中期経営計画を見ると、2024年3月期の売上高は3100億円で、このうち海外売上高は800億円を占める。海外売上高比率は25.8%で、2019年3月期の16.3%に比べ、10ポイント近く高い。 

2018年10月に子会社化した英国のSeabrook社は1945年の創業で、ポテトチップスSeabrookのブランドを持つ。2018年3月期の売上高は3000万ポンド(約42億円)、営業損益はゼロだった。 

期の途中での子会社化だったこともあり2019年3月期の業績への影響は軽微なため業績予想の修正は行わなかったが、2020年3月期はフルに寄与するため売上高の押し上げ要因になる。 

2019年10月に子会社化したWarnock社は1986年の創業で、ポテトチップスなどのスナック菓子の受託製造を手がけている。2018年12月期の売上高は4170万ドル(約45億円)。こちらも期の途中での子会社化のため2020年3月期の業績への影響は軽微なため、業績予想の修正は行わないが、2021年3月期の売上高の押し上げ要因になる。 

2019年3月期に404億円だった海外売上高を5年後の2024年3月期にほぼ2倍の800億円に高めるカルビーにとって、海外企業の買収は目標達成に向けた強い武器になりそうだ。

カルビーの沿革と主なM&A
1949松尾糧食工業所を松尾糧食工業として法人に改組し、広島で設立
1964社名をカルビー製菓に変更
1972カルビーアメリカ(現カルビーノースアメリカ)を設立
1974本社を東京都に移転し、社名をカルビーに変更
1984東京スナック食品を子会社化(2006年11月清算)
2009米国ペプシコと業務・資本提携
2009菓子、食料品メーカーのジャパンフリトレーを子会社化
2011東証一部に上場
2018英国のスナック菓子メーカーSeabrook Crisps Limitedを子会社化
2019米国スナック菓子メーカーWarnockFoodProducts,Incを子会社化

文:M&A Online編集部