個人向けの家計簿アプリや法人向けのクラウド型会計ソフトや経費精算ソフトなどを手がけるマネーフォワード<3994>は、SaaS(サービスとしてのソフトウエア)向け見込顧客獲得メディア「BOXIL」を運営するスマートキャンプ(東京都港区)を子会社化する。 

ニュースリリースや決算短信などによると、スマートキャンプは3期連続で大幅な増収を実現したものの、最終損益は3期連続の赤字続きで、厳しい状況にある。 マネーフォワードも見込みを含め3期連続で大幅増収となるものの、最終損益は3期連続の赤字といった状況。

赤字企業が赤字企業を買収する背景にはどんな戦略があるのか。 

潜在市場規模は2倍に拡大

マネーフォワードは2019年11月期第3四半期決算の発表時、通期業績予想について「将来を見据え、組織体制の強化のための人材採用や、プロモーション実施による広告宣伝等の先行投資の実行」を赤字の理由として上げた。 

売上高は順調に伸びており、2019年11月期は幅を持たせ、前年度比55.0%増の71億2200万円から同65.0%増の75億8100万円を予想する。 

一方のスマートキャンプは2019年3月期に1億900万円の最終赤字を計上したが、売上高は前年度比2.2倍に拡大。さらに2020年3月期も売上高は60%以上の増収を見込んでいる。 

その原動力となっているのが月間1000万以上のページビューを持ち、登録会員(2019年10月末)が12万人以上に達するBOXIL。 

BOXILはSaaS導入を検討しているユーザーが、自社に最適なサービスを検索することのできるサービスで、ソフトの提供者はBOXILに自社サービスを掲載することで見込顧客の獲得や認知度向上などの効果が期待できる。 

マネーフォワードはスマートキャンプがBOXILで培ったマーケティングノウハウを活用し、自社の会計ソフトの新規顧客獲得を目指す。マネーフォワードでは従来の会計ソフト事業に、SaaSマーケティング事業が加わることで、潜在市場規模が1兆円から1.9兆円へと約2倍に拡大すると見る。

【マネーフォワードの業績推移】※2019年11月期は見込み

  2017年11月期 2018年11月期 2019年11月期
売上高(億円) 28.99 45.94 71.22~75.81
当期純損失(億円) -8.42 -8.15 -27.90~-22.90


【スマートキャンプの業績推移】

  2017年3月期 2018年3月期 2019年3月期
売上高(億円) 0.74 2.7 5.97
当期純損失(億円) -0.95 -1.26 -1.09