資生堂<4911>が再び米国での大型M&Aに踏み切った。2019年12月末までに8億4500万ドル(約910億円)を投じ、米国で人気のスキンケアブランドを持つドランク・エレファント・ホールディングス(デラウェア州)の全株式を取得し子会社化する。 

2008年以降に発表した適時開示情報によると、2010年に17億ドル(当時のレートで1600億円)で買収した米国の自然派化粧品会社ベアエッセンシャルに次ぐ2番目の大型買収となる。 

ベアエッセンシャル社については2017年12月期に、のれん代などの減損損失を特別損失として 655 億円計上するなど、大きな損失を被った経験を持つ。それでも米国で再び大型のM&Aに踏み切ったのはグローバルでの成長には米国で急成長中の同社を傘下に収めることが不可欠と判断したためだ。 

資生堂が「加速度的な成長を実現した」と評価するドランク・エレファント・ホールディングスとはどのような企業なのか。また資生堂はベアエッセンシャル社での苦い経験を活かすことができるのだろうか。 

60%を超える増収 

ドランク・エレファントのスキンケア化粧品は、創業者のTiffany Masterson氏が独学で成分や処方を学び、肌の健康に直接寄与する成分や効果をサポートする原料のみを使用し、不必要あるいは肌に悪影響をもたらす可能性がある原料を排除するなどして作り上げた。

 これら製品は若年層をはじめとする幅広い顧客から支持を得ており、ドランク・エレファントは世界をリードする米国のクリーン市場(人体や環境にクリーンな製品を求める動き)で先駆者になっているという。 

2012年の創業で、2013年にドランク・エレファントのブランド展開を開始。その後わずか7年後の2019年12月期には前年度比66.7%増の1億2500万ドル(約135億円)の売上高を見込んでいる。 

資生堂は「クリーン市場はグローバルで拡大しており、米国で強いプレゼンスを持つ同ブランドは今後のグローバルでの飛躍的な成長において非常に大きなポテンシャルを秘めている」としており、ドランク・エレファントを傘下に収めることで米国での収益拡大を見込む。 

さらにクリーン市場が欧州をはじめ中国などにも広がりを見せ始めていることから、将来はアジアを含むグローバル市場でも展開していく計画で、ドランク・エレファントを「スキンケアブランドの一角を担うブランドへと成長させていく」と力を込める。