貸会議室事業のTKP<3479>が、公募増資と第三者割当増資により241億円を調達しました。この資金は2019年4月に買収した日本リージャスの取得に充てられます。
日本リージャスの買収金額は467億1300万円。のれんとして430億円が積まれることとなりました。増資前の株主資本は110億円。のれんの対株主資本比率は390%と極めて高い水準でしたが、増資により120%まで下げました。
高い株価を背景に上手くM&Aを実施したTKP。攻めの買収戦略は吉と出るのでしょうか。
買収により売上高は58%増の562億円

日本リージャスは、スイスに本社を置くオフィス運営世界大手IWGの日本法人です。全国30都市、150拠点以上でレンタルオフィス事業を展開しています。TKPは2019年10月リージャス事業を運営する台湾子会社13社すべても29億2700万円で買収しました。
2社の買収により、TKPは409拠点(TKP259拠点)へと一気に広がり、業績は急拡大します。
2020年2月期のTKPの売上予想が前期比58.2%増の562億円となりました。営業利益も77.3%増の76億円に拡大する見込みです。
決算期 | 2018年2月期 | 2019年2月期 | 2020年2月期予想 |
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売上高 | 286億8900万円 | 355億2300万円 (23.8%増) | 562億600万円 (58.2%増) |
営業利益 | 34億4900万円 | 42億8900万円 (24.3%増) | 76億700万円 (77.3%増) |
純利益 | 20億7100万円 | 18億9300万円 (8.6%減) | 28億6300万円 (51.2%増) |
第2四半期の売上高は242億7200万円、営業利益は35億6400万円でした。業績予想の進捗率は売上が43.1%、営業利益が46.8%となっています。やや強気に見えた業績予想も、通過しそうです。
同社の2019年3月末のPERは55.74倍。2019年10月15日の段階で63.2倍でした。公募増資をした後も株価は高値をつけています。市場はTKPのM&Aと、それに伴う増資を好意的に受け止めています。
ここまでの数字を見ると、M&Aは大成功しているように見えます。